商品(コモディティー)市場ではウラン価格の上昇が続いており、そのラリーが収まる半減期まではしばらくかかるかもしれない。ウラン市場データ会社UxCによると、ウラン(八酸化三ウラン)のスポット価格は8日に1ポンド(約450グラム)当たり92.50ドル(約1万3400円)と、ロシアによるウクライナ侵攻以降2倍余りに上昇し、2007年以来の高値を付けた。これが支援材料となり、カナダのカメコなどウラン採掘会社の株価はこの12カ月で71%上昇。現物を保有するスプロット・フィジカル・ウラニウム・トラストやイエロー・ケーキなどのファンドも、12カ月でそれぞれ74%、58%上昇した。こうしたファンドが現物を大量に買い占め、21年と22年のスポット価格上昇に一役買った。だが、バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチが7日発表したリポートによると、最近の値上がりは電力会社の需要がけん引。UxCによると、電力会社が昨年契約したウランの総量は1億6000万ポンド(約7万2600トン)近くに上り、12年以来の大きさだった。