AIで興味の対象を見える化
仲間と議論しアイデアを深化

◆フェーズ2:自己深化プレゼンテーション

「探究学習×イノベーション」のカリキュラムはどのように作られていったのか【後編】ストックマーク社のAI「Astrategy」によって、自分の入力したキーワードが多く用いられる産業や学問の分野が可視化される 画像提供:芝浦工業大学附属中学高等学校
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 フェーズ2では、生徒が興味のある分野に絞って新たなアイデア創出を行う。未来を描く力を養うという点では、キャリア教育のスタート地点ともいえるだろう。

 生徒たちは、AI(人工知能)を用いて気になるキーワードや関連キーワードからどんな企業や研究機関が関わっているかを調べながら、興味の対象を拡大・深化させていく。

 Astrategyでは、任意のキーワードがどの分野で一番多く用いられているかが可視化されるので、自分の入力したキーワードが最も多く使われている分野に同じように関心を持つ生徒とグループを組み、該当分野の「シーズ×ニーズ」のアイデア出しを行って互いに評価し合う(上の図)。

 次に、メンバーの評価を受けて修正したアイデアを各生徒がクラス全員の前でプレゼンし、「新規性・有用性・実現可能性」の観点から評価を受ける。この興味分野のシーズ探しのプロセスは、将来進みたい大学の学科や研究したいテーマにもつながるようだ。

◆フェーズ3:自己深化レポート

「探究学習×イノベーション」のカリキュラムはどのように作られていったのか【後編】画像提供:芝浦工業大学附属中学高等学校
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 フェーズ2のプレゼンで評価を受けた後は、それを基に改善したアイデアを「自己深化レポート」として完成させる(フェーズ3)。レポートは、学年全体に公開して共有する(上の図)。生徒はその中で優れていると思ったレポートを5つ選んでポイントを付けると同時に、なるべくたくさんのコメントを書き込んで内容を評価する。

 学年全員が全てのレポートを読むので、一人一人の興味の方向性を全員で共有することができ、これによってフェーズ4で行う、学外のコンペティションに参加するためのチームビルディングが始動することになる。