ピンチはチャンス。この言葉が、いま最も当てはまるのが農業だ。離農した農家の農地が、若い経営者に集まっているのだ。特集『儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態』(全17回)の#12では、儲かる農業の体現者である大規模な「レジェンド農家」のベスト20を公開する。急成長する農家の驚異の“賃上げ力”をご覧あれ。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
社員の「時給2500円」を実現!
のし上がる豪農たちの野望
ダイヤモンド編集部の恒例企画「レジェンド農家ベスト20」は、担い手農家アンケートの回答者を、事業規模や成長性などの観点からポイントを付与して格付けしたものだ。
今年のベスト20の格付けは、岸田文雄首相が「最低賃金の全国平均時給を2030年代半ばまでに1500円とする目標」を掲げていることを踏まえ、ポイントを加算する項目に“賃上げ力”を加えた。
政府の賃上げ目標は、現在1000円程度の最低賃金を約10年で1.5倍にしようとするものだ。これまでの最低賃金の上昇は主にパート従業員に関わるものだったが、1500円となると新卒初任給を含めた社員全員の給与の底上げにつながる。
こうしたレベルの賃上げは、数年前までの農業界では難しいとみられていたが、レジェンド農家の上位陣は、すでに準備ができているようだ。
次ページでは、レジェンド農家ベスト20を大公開するとともに、上位農家の具体的な賃上げ実績を開陳する。