車載マイコンのサプライチェーン寸断

 車載マイコンのサプライチェーンにおいては、ルネサスが製造し、ルネサスの販社等を通して、デンソーが購入する。デンソーは、車載マイコンを核に、エレクトロニクスシステム・コンポーネントを製造する。ここで、組み込みソフトのプログラミングもなされ、最後はトヨタに納入される。

 トヨタは通常、主要コンポーネントに関しては、複数のサプライヤーを指定して、ものづくりを競わせ、さらに、供給寸断のリスクに対応している。エレクトロニクスシステム・コンポーネントに関しても、第1層のサプライヤーは、デンソーを筆頭に複数存在した。

 しかしながら、その第1層のサプライヤーすべてが、那珂工場からの同一の車載マイコンを使用していたことが露呈し、結果、トヨタの生産ラインが長期間ストップするという事態になった。

車載マイコンは代替生産が困難

 那珂工場は旧日立製作所のファブ(半導体工場建屋)であり、ルネサスの旧NECエレクトロニクスのファブで、代替生産できれば、寸断の影響は緩和された。しかしながら、それは技術的にできないのである。もちろん、両方のファブは同等の品質レベルの製品を造っているのであるが、出生が異なると、製造ノウハウが異なったものとなっており、代替品として使える同じようなものはすぐには造れないのである。

 ファンドリーで、代替生産をするとしても、すぐには造れない。日立が昔所有していたシンガポールのファブを買い取ったグローバルファンドリーズだと、そこでの代替生産のめどは立つが、すぐに製造というわけにもいかなかった。生産のセットアップに最低2ヵ月ぐらい、生産のリードタイムも2ヵ月かかるのである。

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車載マイコンはなぜ儲からないか?

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