ルネサスの今後で問うべきこと

 ルネサスには、少し黒字のマイコン部門、少し赤字のアナログIC&パワー半導体部門、非常に赤字の携帯・パソコン・ゲーム用のシステムLSI(SoC)部門の同規模の3事業部門があるとされている。SoCには新世代の半導体技術が必要であり、マイコンには少し古い世代ではあるが、熟練した半導体技術を使っている。

 不採算のSoC部門を切り離して、キャシュフローの改善を図るというようなことが言われているが、切り離してそのファブと技術をどうするのかを先に真剣に考えていただきたい。

 車載マイコンの半導体技術世代は古い方で、切り離す方が新しい世代の半導体技術である。古い方の技術は自動車にとりあえず必要なので残して、その次の世代は捨てたので、徐々に国外の標準品に切り替えて行くという算段なのだろうか。そうなれば日本の半導体製造はほぼ終末を迎えることとなる。重大なインプリケーションがあるので、拙速な判断は控えるべきである。

 皆さん、もう一度、日本にどういうふうにして、半導体技術を残すかということを真剣に検討してください。セマテックの貢献は、半導体の次世代技術への移行を促進させたというような性質のものではなく、ハードとソフトの標準化の促進ということが、その時代のサプライチェーンの構造変革をもたらし、新しいビジネスモデルを創造したというふうに解釈するべきです。

 半導体に関する日本の次の一手は何かということを考える時、セマテックのように、ゲームのルールを変える、サプライチェーンの構造変革をもたらす要因は何かということを問うべきです。

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