AIドローン「Skydio X10」とドローンオペレーション人材育成

モビリティ領域の一つとして、KDDIグループが取り組んでいるのがAIドローンの活用である。

22年にKDDIスマートドローンを設立し、ドローン事業を本格的にスタート。24年5月には米国最大級のAI搭載自律飛行型ドローンメーカーのSkydioと業務資本提携し、同社が開発した最新のAIドローン「Skydio X10」を活用した社会課題解決を加速させる取り組みを行っている。

「Skydio X10は、高度なAI映像処理によりリアルタイムに空間を把握し、障害物を自動回避しながら自立飛行できる機体です。モバイル通信にも対応予定で、現地にいなくてもドローンを遠隔運用することができます。また、可視光と赤外線を用いた『NightSense』を搭載し、暗所・夜間飛行も可能です。老朽化したインフラの点検や、建設現場・プラントの監視、災害発生時の被害状況の把握などにドローンが活用されていますが、Skydio X10ならこれらの作業をさらに効率よく行うことができます」と講演で語ったのは、KDDIスマートドローン社長の博野雅文氏だ。

AIドローン、AIオンデマンド交通、物流DX――「モビリティ」に関連する業界課題・社会課題解決にどう取り組むかKDDIスマートドローン
代表取締役社長
博野雅文

さらに同社は、ドローンオペレーション人材育成の事業として「KDDIスマートドローンアカデミー」を全国に展開している。この秋、三井不動産と日鉄興和不動産が共同開発した街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」内に開設される「板橋ドローンフィールド」に、KDDIスマートドローンアカデミー東京板橋校を開校する。都内最大級のドローンフィールドであり、都市部では貴重なドローンの実証実験の拠点として期待される。

「ドローンを開発するスタートアップ企業などが集うコミュニティの場も設け、さまざまなユースケースをパートナーさまと共に考え、AIドローンが開く未来を考えていきたい」と博野氏。パートナーと共にドローンのビジネス共創をより一層加速させる予定だ。

AIドローン、AIオンデマンド交通、物流DX――「モビリティ」に関連する業界課題・社会課題解決にどう取り組むか三井不動産
ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長
兼 イノベーション推進室長
大間知俊彦

板橋ドローンフィールドを開設した三井不動産ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長 兼 イノベーション推進室長の大間知俊彦氏は、「当社は物流施設だけでなく、荷主や3PL向けの物流ソリューションも提供することで、付加価値の向上を目指しています。ドローンによる物流の効率化もその一つ。今後も物流業界の人手不足をはじめとする社会課題の解決に向けて、KDDIとの連携を強化していきます」と語った。