気候変動による経済への打撃を予測し、広く引用されていた研究が3日、業界内からの批判を受けて撤回された。研究は権威ある学術誌ネーチャーに昨年掲載されたもので、高炭素排出シナリオの下では、2100年までに世界の経済生産が62%減少すると予測していた。だが他の予測よりもはるかに厳しいもので、基礎的なデータが精査される事態となっていた。ドイツのポツダム気候影響研究所(PIK)に所属する共著者のレオニー・ウェンツ氏は、「指摘された問題についてはおおむね同意しており、基礎となる経済データと手法を修正した」と説明。その上で、「これらの変更は『ネーチャー』に掲載された元の研究の訂正で済ませるには、あまりにも大幅なものだ」と述べた。