・時間管理スキルの不足
 会議開始から逆算して、他のタスクをキリの良いところで終えることができないのかもしれません。「後少しで終わるから」と作業を続けた結果、気づけば会議開始時刻を過ぎている可能性もあります。

・弁解をあきらめすぎる
 実は本人も悪いと思っているのに、うまく言葉にできないケースもあります。「どう言い訳しても責められる」と思い込んで、無表情で黙っている可能性もあるでしょう。その結果、周囲には“反省していない”“ふてぶてしい”という誤解を招いてしまいます。

悪びれない態度は
幼少期の経験に起因している

 では、なぜこのような悪循環が起こるのでしょうか。背景には、本人の幼少期から積み重ねてきた学習経験があります。たとえば、子どもの頃に「遅れると怒られる」「言い訳すると余計に怒られる」といった体験を繰り返していたとします。すると、「どうせ怒られるなら、何も言わないほうがましだ」という学習が心のどこかに残ります。

 そして、大人になって職場に入っても、そのパターンが自動的に作動してしまうのです。注意されると、「また失敗した」「やっぱり自分はダメだ」という感情が瞬間的に浮かびます。

 その痛みを避けるために、無意識のうちに自分を守る行動をとる――それが、遅刻しても焦らないように見える態度なのです。本人にとっては防衛反応ですが、周囲からは「開き直っている」と誤解されるでしょう。このズレこそが、悪循環の入口です。

 上司として「時間を守れ」と繰り返し注意するだけでは行動は変わりません。なぜなら、問題の根っこは時間管理だけでなく、複数の要因からなる悪循環にあるからです。

「どうせがんばってもまた注意される」「弁解したところで逆効果だ」と思っている限り、人は動きません。そのために有効なのは「怒る」ではなく「一緒に考える」姿勢です。

 たとえば、「他の仕事と重なっていた?どこで時間の見積もりがズレたと思う?」「会議の開始時刻に合わせるには、どんな工夫ができそう?」といった質問を投げかけることです。