
有給休暇は「自分の好きな時に好きなだけ」使っていいのでしょうか?【有給休暇クエスチョン】を通して、会社と労働者が本当に幸せな有給休暇の在り方について解説します。(特定社会保険労務士 採用定着士、大槻経営労務管理事務所 鈴木麻耶)
有給休暇を20日間取る人がSNSで大議論
「有給休暇を年間20日間、取る人をどう思うか?」がSNS上で議論になりました。投稿者は「皆さんの率直な意見を伺いたい」という意図があったようです。雇用主か労働者か、大手か中小企業か、立場や業種、職場の違いなどからも多種多様な意見が飛び交いました。
有給休暇は、心身の疲労回復と働く意欲を取り戻すために法律で認められた大切な権利です。本来の目的を踏まえ、制度や運用を工夫すれば、社員が安心して休み、会社も円滑に業務を回すことができます。
かく言う筆者は先日、自分史上最高の有給休暇を取得しました。旅行に行ったわけでも、大きな買い物をしたわけでもありません。実は1日中、韓流アイドルが兵役を終え除隊した映像を眺めていました。いわゆる推し活です。推しが元気な姿を見れば、心身の疲労も癒やされ、また頑張ろう!と回復できます。そんな有給休暇だってもちろんOKです。
個人的なエピソードを披露してしまいましたが、この先は社労士の立場として、会社と社員お互いがWin-Winな有給休暇の在り方を考えていきます。
【有給休暇クエスチョン】
5人の部署で4人が通常稼働できない日に有給休暇は取れる?
佐藤さんは自分も含めて5人いる部署に所属していて、有給休暇の取得を申請しました。取得日の状況が下記の場合、佐藤さんは休めるのでしょうか?(全て仮名)
(1)武田さんはすでに有休申請している(今月期限の年間5日取得が全くできていない)
(2)山本さんは終日社外研修がある
(3)田中さんは地方出張に行く
(4)川合さんは実父の通院の付き添いで午後に介護休暇を申請している