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自己啓発本などでよく目にする「失敗は成功の糧」という言葉。一見もっともらしく聞こえるが、部下を伸ばすために本当に必要なものとは何か。遅刻癖や先延ばし癖を抱える社員を変えた指導法とは?※本稿は、公認心理師の中島美鈴『なぜあの人は時間を守れないのか』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
「失敗から学べ」では
脱落する人が一定数出る
昭和世代の上司の中には、「私は仕事を懇切丁寧に教えてもらえなかったので、今の若手にはもっと失敗を恐れず試行錯誤しながら学んでほしい」と思っている人も少なからずいるようです。
もともと試行錯誤が得意で、その中からうまくいく方法を自己発見できれば、仕事の喜びも大きく、成長できるチャンスになることは理解できます。しかし、全員がそこに辿り着けるわけではないことを教育心理学の歴史は物語っています。
これは教育心理学の用語でいう「発見学習」に当たるのです。正解を教え込むのではなく、仮説検証を通してなんらかの真実を発見するという魅力的な指導法ではあります。
しかしこれには、教える側も膨大な準備と必ず発見に至れるようなテクニックが必要ですし、教えられる側にも試行錯誤できる柔軟性やタフさ、時間などが必要です。
また、学ぶ内容や効率性という点から発見学習に適さないことも多々あるのです。上司の側がいたずらに「失敗から学べ」「試行錯誤も勉強のうち」と頑なになっていると、学び損ねてしまう部下が一定数出てしまうという悲劇が起こります。部下の特質と学ばせたい内容に応じて、上司の側も柔軟に教える方法を変えていきましょう。







