3. 生前贈与や死因贈与の検討

古田弁護士:暦年贈与の非課税枠などを利用し、夫が健在なうちに一定の資産を後妻や連れ子の名義へ移しておくことで、制度に縛られない「自由に使えるお金」を確保する、という方法も考えられます。

 また、遺言書でも遺産を渡せますが、「死因贈与契約」という選択肢もあります。これは「自分が死んだら、この不動産や預金を贈与する」という、生前に当事者間で交わしておく契約です。遺言とは効力や手続きが異なるため、状況に応じて使い分けが検討されます。

4. ​家族信託(民事信託)の活用

古田弁護士:信頼できる親族などを受託者として財産を託し、受益者を後妻に指定しておく「家族信託」も選択肢の一つです。信託財産は遺産分割協議の対象外となるため、前妻の子との協議が難航しても、後妻の生活資金が止まりにくいという利点があります。

 さらに精度をうまく活用すれば後妻の死後の承継先まで指定するといったことも可能となり、遺言では実現が難しいこともある二次的な承継にも備えられます。ただし前妻の子の遺留分は別途残る論点であり、設計には専門家の関与が前提となります。

 遺族年金がもらえないことを前提に、「公的年金に代わるお金をどう備えるか」を早い段階で家族で共有しておくことが重要です。

※プライバシー保護のため、登場人物に関する情報の一部を変更しています。

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