悩まない人の「頭の中」では何が起こっているのか? いま英語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、ロシア語、イタリア語など翻訳オファーが殺到している本がある。木下勝寿氏の『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』だ。本書から「仕事の大失敗を神風に変える方法」をライター柴田賢三氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

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気持ちは焦るが打つ手なし

 私は以前、ある会社で大きなプロジェクトを任されたのに、うまくいかずに悩んだことがある。

 状況は日々、悪化していき、チームの誰もがお通夜のような表情になっていく。
私も気持ちばかり焦るが、打てる手は限られていた。

 行きつけのバーで、一人でヤケ酒を飲んでいると、隣に座った初老の男性に話しかけられた。私がなじみのバーテンさんに弱音を吐いているのを聞いていたのだ。

会社を潰した元社長のアドバイス

 男性は、若い頃に自分の会社を潰し、すぐに運送会社に飛び込んで長距離のトラックドライバーになったという。

「まだ小さいガキが3人いたけど、なんとかなるもんだよ。会社が傾きはじめた頃から、いざとなったらトラック乗ろうと思ってたからさ。知り合いのツテを頼って、運送会社に『どうしてもダメだったら雇ってくれ』って、自分なりに“保険”もかけてた。
あんたは会社員なんだから、その大きな仕事が失敗したって、会社をクビになるわけでも個人的に借金抱えるわけでもないだろ? 会社には居づらくなるかもしれないけど、それならそれで別の仕事を探せばいいし、悩むより“次の一手”も考えておけばラクになるよ」

失敗しても会社はクビにならない

「北の達人コーポレーション」の社長・木下勝寿氏の著書『悩まない人の考え方――1日1つインストールする一生悩まないスキル30』の中に、「『穴に落ちないこと』より『落ちても大丈夫な準備』を」という項目がある。

穴の深さをあらかじめ確かめていないから、一度落ち始めるとパニックになる。
自分がどこまで落ちていくのかがわからず、永久にこのまま戻ってこられないと思い込んでしまう。

――『悩まない人の考え方』より

 私の場合、まさにこの状態だったが、バーで話を聞かせてくれた男性の言葉で「穴の深さ」、つまりは失敗しても会社をクビにはならないと覚悟を決めたうえで、自宅近くの教習所で「休日や夜間でも大型免許を取ることができるか」なども調べていた。

 結果的に、私のプロジェクトには“神風”が吹き、無事に危機を乗り越えることができたが、木下氏はこうした「ラッキーパンチ的な成功には注意しろ」とも書いている。
 詳しくは同書を読んでもらいたいが、常に複数の選択肢を持っていることが重要なのは間違いない。