完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろ今週こそPhoto: Adobe Stock

大事な仕事がいつまでも残ってしまう

 月曜の朝。「今週こそ、先送りにしていたあの仕事を片づけよう」と決める。

 ところが、部下から相談が入り、上司から急ぎの資料を求められる。会議の合間にチャットを返し、夕方になってようやく自分の仕事に向き合うころには、もう余力がない。

 金曜の夕方、気づけば自分の仕事は手つかずのまま。

 忙しい人ほど、そんな一週間に覚えがあるかもしれません。

 何もしていなかったわけではありません。目の前の依頼に応え、部下の仕事を支え、判断を重ねてきた。それでも、自分が進めるべき仕事だけが残っている。

 そこで「来週はもっと頑張ろう」と決意しても、来週の予定が急に空くわけではありません。同じように相談は入り、急ぎの仕事もやってきます。

 それなのに、来週の自分なら何とかできそうな気がする。

 今週の自分は、うまくいかなかった証拠を持っています。一方、来週の自分は、まだ何も失敗していない。そこには、まっさらな可能性があるように見えるのです。

 でも、何が仕事を止めたのかを確かめないままでは、来週も同じところでつまずくかもしれません。

「忙しかった」を、具体的な事実に変える

 そこで必要なのは、自分を責めることではありません。先週、何が起きたのかを具体的にすることです。

「忙しくてできなかった」から、もう一歩だけ掘り下げてみる。どの作業に時間を使い、どこで手が止まったのか。それがわかれば、変えられることも見えてきます。

 私にも、提案書を前にして、何も進められなかった週がありました。

 葛藤しながら、「何が起きたのか」を書き出してみたのです。

「競合調査に2日かけた。提案書は開いてすらいなかった」

 そう書いた瞬間、次にやるべきことが見えました。

「調査は1日で切り上げて、2日目に骨子を書く」

 この判断基準は、「もっと頑張る」だけでは生まれなかったでしょう。何に時間を使ったかを振り返ったから、次の進め方を決められたのです。

 具体的な失敗をひとつずつ拾い上げると、そこから原則が浮かび上がってきます。

 正解は、上から降ってくるのではなく、自分が経験したことから積み上がっていくのです。

頑張る方向が合っているか早めに確かめる

 進め方を変えるときには、もうひとつ確認したいことがあります。そもそも、取り組んでいる方向は合っているか、ということです。

 私は以前、提案書をひとりで3週間磨き続けたことがありました。

「クライアントはコスト削減を気にしている」。その前提で書き続け、ようやく上司に見せると、こう言われました。

「今期、先方が気にしているのは売り上げ拡大だよ」

 3週間分の前提が、ひっくり返りました。1週目に見せていれば、残り2週間を正しい方向に使えたのに。

 ひとりで磨き続けていると、間違った前提に沿って、資料だけが立派になっていくことがあります。努力を重ねるほど、後から直す範囲も広がってしまう。

 だから、今週は決意を新たにする前に、先週うまくいかなかったことを1行だけ書いてみる。そして、次に変える行動をひとつ決める。

 資料が完成していなくても、骨子や仮説の段階で「この方向で合っていますか」と誰かに確認する。

「今週こそ頑張る」を、今週どう進めるかに変える。その具体的な一歩が、同じ一週間の繰り返しを変えていきます。