完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろ冷笑Photo: Adobe Stock

冷笑の裏に完璧主義が隠れている

 会議のたびに、同じ問題が議題に上がる。

 誰もが「そろそろ何とかしなければ」と思っている。それなのに、最後は「まあ、どうせ変わらないよね」で終わってしまう。

 直すべきことは、いくらでもある。けれど、何から手をつければいいかわからない。

 目の前のチャットに返信しているうちに、今日も一日が終わる。

 責任ある立場になるほど、見える問題は増えていきます。でも、その全部を解決しようとすると、かえって動けなくなることがあります。

「どうせ何をやっても変わらない」という冷笑。その裏にあるのは、諦めだけではありません。

「全体を完璧に直せないなら、一部分を直しても意味がない」という完璧主義が隠れているのです。

一部分の修正の積み重ねだけが、終わりに近づける

 私にも、似たような経験があります。

 システム全体の改善を任されたとき、改善すべき点が100個以上見つかりました。

 設計上の問題、ドキュメントの不備、動作確認の不足、パフォーマンスの問題。見れば見るほど問題が見つかります。

 そして、1週間、何も手をつけられませんでした。

「この問題を直しても、あの問題が残っている」
「根本から設計し直さないと意味がない」
「自分ひとりでやっても、チーム全体が変わらなければ無駄だ」

 そんなことばかり考えていました。

 ある日、腹を決めました。今週は1個だけ直す。「この不具合を修正する」、それだけ。

 ほかの問題は、いったん見ないことにしました。

 3日後、その1個が直った。小さな達成感がありました。翌週、また1個を選んだ。また直った。

 3か月後、気づけば30個の問題が解決していました。

 ある部分を直した経験が、次に直すべき部分を教えてくれたのです。これは、全部を見通してから動こうとしていたときには、わからなかったことです。

 だから、始めるときは意図的に視野を狭めること。

 今日やることはひとつだけ。ひとつ終わったら、また視野を広げればいいのです。

通知は他人の優先順位

 ただ、やることをひとつに絞っても、通知に反応し続けていたら、仕事は進みません。

 通知は、他人の優先順位だからです。

 通知に即レスする人は、無意識に「他人の期待に100点で応えること」を優先しがちです。

 その結果、自分のタスクは0点になります。

 他人への応答を完璧にしようとして、自分の完了を犠牲にする。これも完璧主義の変形です。

 ある日、通知に反応した回数を正の字で記録したら、午前中だけで17回でした。

 問題は、返信に使った時間だけではありません。元の作業に戻るためにも、時間がかかるのです。

「さっきどこまで書いたっけ」。思い出すのに数分かかる。私の実感では、一度切れた集中を取り戻すのに、20分前後かかることも珍しくありません。

まず30分、ひとつの仕事を進めてみる

「重要な連絡を見逃したら」と、不安になるかもしれません。

 でも私のチームでは、30分後に確認すれば、ほとんどの場合は事足りました。本当に緊急なら、電話が鳴ります。

 もちろん、命に関わる業務や緊急の顧客対応では、同じようにはできないでしょう。しかしそういった業務でないなら、チーム内で「通知は30分後に確認する」と合意しておくのも手です。

 すべての問題を解決する必要はない。すべての通知に、その場で応える必要もない。

 まずは通知を切って、目の前の1個を進めてみる。

 あなたの「どうせ変わらない」の中にも、今日手をつけられる問題がひとつあるはずです。