完璧を求めて妥協ができない。中途半端なものを出して「できない奴だ」と思われたくない。「先のばし」や「完璧主義」を脱するための方法を、『おい、とりあえず終わらせろ』を書いたエンジニアのnwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

「馬鹿げた小ささ」が効く

 始めるための条件は整っているのに手が動かないなら、「タスクの大きさ」を見直す必要があります。

 ここで言うのは、課題の着手負荷をいかに下げるかという話です。

 始めるための最も確実な方法として、私がずっと頼ってきたのは、失敗しようがないほど小さい一歩から始めることでした。

 タスクの「全体」に向き合うとき、私たちは完成形と今の自分を比べています。

 その差が大きいほど、最初の一歩は重くなる。「ファイルをひとつ開く」には完成形との比較が生じない。「これだけやれば終わる」という閾値が低いから、動き出しに精神の許可が要らないんです。

 誰もやらない小さな仕事、こぼれ落ちたタスク、そういうものをひとつ拾うだけでいい。拾った先に、全体像が見えてくる。

 馬鹿げているように聞こえるかもしれないです。でも、この「馬鹿げた小ささ」が効く

「毎日30分」が失敗を作る

 以前、「毎日30分、技術書の写経」という目標を立てて、数日で挫折しました。

 30分なら無理がないと思ったのです。

 月曜日、帰宅後にやった。火曜日も残業の後なんとか30分。

 水曜日、疲れて「今日は15分でいいか」と思った。でも15分では「目標未達」だ。「中途半端にやるくらいなら明日まとめてやろう」と思って、やらなかった。

 木曜日、「昨日の分と合わせて1時間やらなきゃ」と思った。

 金曜日には「週末にまとめて」と言い訳し、週末には「また来週から」と言っていた。

 何が間違っていたのか。

「30分」という数字が、やらない日を作っていたんです。

 30分できない日は「挽回できない失敗」になる。それが続くと、もう一度挑戦する気力がなくなる。

 私は今、「エディタを開くだけ」を目標にしています。

 ファイルツリーを眺めて閉じても構わない。でも開いたら、だいたい何か書いてしまう。コメント1行で止まる日もある。1時間書く日もある。

 どちらでも「目標達成」だ。

 私はかつて、コードの作り直しを3週間先延ばしにしました。対象が大きすぎて、「どこから手をつけても地雷を踏む」と思ったから。

 ある朝、確認用のファイルをひとつだけ開いた。1件だけ修正した。確認が通った。次の確認も直した。

 気づけば、午前中いっぱい作業していました。