デジカメや携帯電話で撮影した写真を、手軽にディスプレイに表示してくれるデジタルフォトフレーム。製品としては古くから存在するが、昨年のソニーの再参入以来、種類も豊富になってきている。その市場規模は、「2013年には195万台193億円」(シード・プランニング調べ)と見る向きもあり、今や家電量販店にもコーナーが設けられるほどの人気商品だ。

 だがもちろん、それらの多くは単なる“写真立て”に終始しているわけではない。その特性は大きく「高画質」「多機能」「ネットワーク対応」の3つに分類することができる。画像修正ソフトの搭載、音楽や動画の再生、無線LAN機能、ウェブブラウジング――。もはやフォトフレームという“枠組み”から抜け出し、「卓上端末」という言葉のほうがふさわしい。

 一方で、デジタルフォトフレームはギフトとしての需要も多い。「遠方に暮らす親に、我が子の写真を贈りたい」といったニーズが最も一般的だと思われるが、そうなると、あまりに多機能すぎても困る。デジタル機器に慣れ親しんでいない高齢者向けには、詰まるところ「何もしないでも写真が更新される」というかたちが理想だ。

 このほどNTTドコモがスタートさせた「お便りフォトサービス」は、そんなユーザーの願いを叶えてくれるサービス。これは携帯電話やPCから、フォトフレームに直接、写真を送ることができるというものである。メールアドレスを振られた専用フォトフレームに、FOMAの通信網を利用して送信する仕組みで、契約者以外にも送信者を設定することができる(最大23人まで)。また、ドコモ以外の携帯からも利用できる。

「お便りフォトサービス」使用イメージ。専用サーバを介して、フォトフレームに写真が送られる。

 契約者は「定額ユビキタスプラン(490円~/月)」と「お便りフォトサービス付加機能使用料 (210円/月」のふたつの利用料を支払う。前者は送信パケットによって変動するが、10万パケット(約30枚分)までは980円/月で済むというもの(*)。専用フォトフレームは19800円で販売。限定数は1000台となっている。

 多機能すぎてコンセプトが迷走している感のあるデジタルフォトフレームだが、NTTドコモが打ち出す〈家族を中心に身近な人とのコミュニケーションをサポート〉する役割は、必須といえる。音楽や動画の再生も面白いが、「写真=大切な思い出」という本来の目的に立ち返ってみることで、デジタルだからこそ可能な提案がまだまだ見えてくるのではないだろうか。

(中島 駆)

(*)2009年12月31日まではパケット(枚数)制限なし。「お便りフォトサービス付加機能使用料」は無料。