M&Aや提携を通じ、
世界発・世界着を推進

10年に買収したStar Holiday Martはインドに800社、インドネシアに600社、中国に150社、アラブ首長国連邦に150社以上の旅行会社ネットワークを持つ。また14年買収したシンガポールのTour Eastグループは、欧州で500以上の旅行会社を展開する
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 現在、JTBグループが構築を目指しているのは、世界初のアプローチとなる「ネットワーク型拠点網(世界発・世界着)」である。

「日本にこだわらず、世界各地の旅行者のニーズに応えていくことに注力しています」(坪井取締役社長)

 もはや、日本という特定の中心(発着点)は存在せず、いずれの拠点も等しく相互の接続関係を持つ。その上で、世界という巨大な市場に向けて「交流文化事業」を推し進めていくというものだ。

 アジア・パシフィック地区において、従来の「日本発・アジア着」のインバウンド事業に加えて、「世界発・アジア着」のグローバルインバウンド事業、「アジア発・世界着」のグローバルアウトバウンド事業が中核を担いつつある。

「今後はM&Aも含めて有望な市場・地域に積極的に投資していく方針です。各国が目覚ましい経済成長を遂げ、海外旅行の需要も急拡大中です」(坪井取締役社長)

 例えばグローバルインバウンド事業においては、10年3月にシンガポールのStar Holiday Martを買収。同社はインドに800社、インドネシアに600社、中国に150社、アラブ首長国連邦に150社以上に達する旅行会社のネットワークを有している。また、14年10月には同じくシンガポールのTour Eastグループを買収。同グループは欧州で500以上の旅行会社を展開しており、これらのエリアにおける飛躍的な事業の拡大が期待される。

 拡大の一途をたどるアジア・パシフィック域内での人流をいかに取り込むか、JTBグループの挑戦が続く。

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