8月後半に中国の株価が急落したことを受けて、国際金融市場にショックが走り、国際商品市況も大幅に下落した。

 ドル建て国際商品市況全般の動向を表すロイター・コアコモディティCRB指数はリーマンショック後に付けた安値を下回る水準にまで下落している。「スーパーサイクル」と呼ばれた商品市況の上昇期は終わって、下落相場がしばらく続いているのが現状だ。

 国際商品市況は、世界景気などを映して、変動を繰り返す。しかし、2003年ごろから当時起こっていた国際商品市況の変動は、いつもとは違うとの見方が広がり、スーパーサイクルと呼ばれた。

 1990年代の国際商品市況の低迷期に、資源開発投資が停滞していた影響で、供給力が乏しくなっていたところに、中国、ロシア、ブラジル、インドなど新興国の経済が高成長して資源需要が急増し、市況の上昇観測が強まった。

 リーマンショック後には、国際商品市況は大暴落したが、中国が4兆元の景気刺激策を打ち出す中、新興国の資源需要は再び増加して、資源需給は引き締まり、10年~14年前半の国際商品市況は高止まりしていた。

 ところが、14年後半から国際商品市況は下落基調を強める。15年夏場には、02年12月以来の低水準にまで下落してしまった。背景には、輸出や固定資産投資に主導されてきた中国の高成長が行き詰まりを見せ始めたことがある。