「50mを走る速さとお年玉の額の因果関係は?」小学生から始めたい探究の学び  「探究オリンピック」の参加者は、与えられたテーマについてチームで話し合い、その結果を発表する(昨年実施された第2回明日の思考コンテストの様子)

学習指導要領が改訂され、高等学校では「理数探究」が2021年度から導入される。数学と理科の見方・考え方を組み合わせ、探究することで課題を解決する能力を身に付けることが目的だ。小学校でもプログラミングが教科として導入されるなど、これまでにはなかった学びの形が現実のものとなっている。考え、話し合い、表現するという「探究心」を培うため、小学生を対象とした「探究オリンピック」も11月に開催される。(ダイヤモンド社教育情報)

「探究オリンピック」に参加してみよう

 小中高で順次導入が進んでいる新しい学習指導要領では、これまでとは異なる学び方が想定されている。それは、板書されたことを書き写す受動的な学びによる「内容知」から、能動的な学びにより培われる「活用知(探究)」への大きな転換である。

 すでに高校では「総合的な探究の時間」として導入されたものが、「理数探究」という新しい科目への進化を遂げている。

 新時代に必要とされる考える力、チームで話し合い解答を導いていく力、そしてそれを発表して伝える力。文部科学省が「学力の3要素」としてまとめているような知の力を、小学校のうちから培っていくことが、生涯学び続けなければならない21世紀を生きる子どもたちには必須のものとなっている。

 「算数オリンピック」を実施してきた財団法人算数オリンピック委員会は、昨年、一昨年と「明日の思考力コンテスト」も開催してきた。第3回となる今年から「探究オリンピック」と名称を変更した。算数・数学の力をベースに、理科や社会で扱われる事象に関する問題解決ができるような、学際的な新しい能力を競い合う場である。

 予選は個人参加によるテスト形式で行われる。会場は東京が佼成女子(世田谷区)、宝仙学園(中野区)、安田学園(墨田区)で、神奈川は聖光学院(横浜市中区)で開催される。

 本選は12月1日(日)に東京工業大学(目黒区)で実施される。予選とは異なり、4人1組のグループ対抗戦となる。ユニークなのは、当日、参加者の中から任意に組む点だろう。初めて会う4人が共通の課題に挑戦していく。

 今年は、11月17日(日)に予選が行われる。参加申し込みはこちらのサイトから11月7日(木)まで受け付けている。「探究」的な学びのきっかけとして良い機会になりそうだ。