「頭がよくなる」「運動神経がアップする」「認知症を予防できる」「集中力が高まる」「ストレスが減る」「記憶力が増す」など、人間の能力が飛躍的に向上する唯一無二のメソッド「ライフキネティック」。新しい動きを次々とすることで脳のネットワークを増やし、脳が活性化する手法だ。1日10分、1週間で60分でやればOK。「間違えることがいい」という驚異的な脳トレ『Life Kinetik® 脳が活性化する世界最先端の方法』が刊行! 脳に必要な物質を、本書の一部を抜粋して紹介する。

脳と身体にいい食事をとる

 世の中には食べ物に関する本が山ほどあり、新聞や雑誌、インターネットの情報サイトには、食べ物についてまじめに書かれたものからそうではないものまで、さまざまな記事が載っています。ほかにも、テレビ番組で医師や栄養学の専門家がお勧めの食事法について語り、ドイツ連邦食糧・農業省からの推奨もあります。

 新たな情報が次から次へと出てきて、食品業界の不祥事が発覚することも珍しくはありません。また、これまで正しいとされていたガイドラインが、新たな情報によってあっさりと覆されたりもします。「食べると長生きできる」と大きな話題になっていた食べ物が、翌日には「食べると寿命が縮む」と言われることもあるくらいです。

 いったいどの情報を信じたらいいのか? ためらいなく口にすることができるものはあるのだろうか? このような疑問を持つ人もいるでしょう。

 私はこれらのことについて議論するつもりはありませんが、長生きしたり頭を働かせたりするために絶対に必要な栄養物質があるのは確かです。ですから、食事の面からも、どうすれば脳の働きを高めることができるのかを考えることは大切です。

 脳にとって絶対不可欠なものは、「グルコース」「酸素」「水」です。平均的な体重の人では、脳の重さは体重の2%ほどしかありませんが、全身で用いられる酸素の20%と、1日に必要なエネルギー量の約15%が脳で消費されます。5歳児では、なんとエネルギー摂取量の43%が脳のために使われるそうです! この年の子どもがなぜ覚えがいいのか、答えはここにあるのかもしれません。

 一方、身体に脂肪が十分にあったとしても、脂肪がすぐに脳のエネルギー源になることはありません。頭を集中的に使うとやせる、ということがあったらよかったのですが、残念……。脳は脂肪よりもグルコース、つまり単糖類〔それ以上加水分解されない最小単位の糖類〕のほうが好きなのです。グルコースの蓄えが尽きてきたら、身体はタンパク質と脂肪からグルコースをつくります。ただ、グルコースを直接身体に取り入れるほうが、はるかに効率がいいのは明らかです。

 身体に蓄えることができる栄養物質の量は限られています。平均的な体重の大人では、筋肉と肝臓に蓄えられる量はわずか400グラムほどで、そこから1日約200グラム消費されています。しかし、筋肉に蓄えられているグリコーゲン〔グルコースの貯蔵形態〕は筋肉でのみ消費され、ほかの部位のために使われることはありません。肝臓のグリコーゲンだけが再びグルコースに変えられ、血液に含まれて全身に運ばれます。そして、毎日その約60%が脳で消費されます。

 残念ながら、脳にグルコースをグリコーゲンの形で蓄えることはほぼできないといっていいでしょう。酸素についても同様であるため、グルコースも酸素も、血液と一緒につねに脳へ送り込む必要があります。そのために必要な血液の量は、心臓が1分間に送り出す血液量(心拍出量)の13%です。

 脳にエネルギーを与えるために、1日1000~1500リットルもの血液が脳の中を流れているのです。ただし、これはグルコースが十分に身体に蓄えられていることが前提です。ですから、グルコースを適切に補給することが重要です。

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