日本銀行Photo:PIXTA

気候変動対応の投融資に
日銀が新たな資金供給

 日本銀行が気候変動問題対応への支援で、「金融機関が自らの判断に基づき取り組む気候変動対応投融資をバックファイナンスする新たな資金供給」を行うことを決めた。

 発表された骨子素案によると、企業の気候変動対策に対する金融機関の投融資に金利ゼロで原則1年間資金を貸し付け、2030年度まで借り換え可能として実質的には長期資金のファイナンスをするものだ。

 年内にも運用を始めるというが、気候変動問題に対する日銀の迅速な動きはやや意外だった。

 背景には、気候変動問題が世界の喫緊の課題となり、各国の政府や企業などが総がかりで取り組み始めていて、何もしないわけにはいかないことがある。

 その意味では当然の動きだが、とはいえ金融政策でやれることには中立性の観点から限界がある。そしてこの中立性を突き詰めると物価の安定という責務に「根本的な問題」があることがわかる。