これだけで部長まで出世できる？
「ナイス返し」
という会話テク

午後のワイドショー「ゴゴスマ」（TBS系）を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者である同番組MCでフリーアナウンサーの石井亮次氏が「話し方の極意」を初めて明かした『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が1月12日に発売になった。
上手にしゃべることではなく、相手を楽しませて、場の空気をよくすることを目標にかかげ「他人（ひと）はいじるな、自分をいじれ」「会話は合気道」「究極のほめテク」など、サービス精神にあふれる独特の会話術を披露。話し方で損をしているすべての人の救世主ともいえる本書から抜粋し、具体的な話し方のテクを紹介する。

「ナイス返し」に正確な事実は必要なし　

　　普段の会話の中で「打てば響く」といった感じでポーンといい反応が返ってくると、場が楽しく盛り上がります。そういう上手な気の利いた反応を僕は「ナイス返し」と呼びたいと思います。その反対は「バッド返し」です。

　「ナイス返し」ができると、誰からも絶対に可愛がってもらえます。

　僕の感覚では「ナイス返しさえできれば部長にまでは出世できる」（笑）という感じ。それくらいの力を持っています。まずは例文で比較してみましょう。

　【バッド返し】
相手「最近、はりきってるね！」
　（実際は、そうでもない）
自分「いいえ、別にはりきってませんけど」

　これはアカンでしょ。せっかく「はりきってるね！」と言っている方も、がっかりです。ここで「正確な情報」は何の意味も持ちません。（そもそも、堂々と「はりきってません」と言うのもどうかと思いますが）

　【ナイス返し】
相手「最近、はりきってるね！」
　（実際は、そうでもない）
自分「え、嬉しい、わかります？ やったー！ ありがとうございます！」

　これでいいんです。相手から「はりきっている」ように見えているなら、それをありがたく受け止めて喜んでおくのが正解。声をかけた方も、そのほうがいい気分になれます。

相手が気遣ってくれた時の「ナイス返し」

　逆に、相手が「最近元気がないように見える」と気にして声をかけてくれた場合のバッド返し、ナイス返しはこうなります。

　【バッド返し】
相手「最近、ちょっと元気ないんじゃない？」
自分「いいえ、めっちゃ元気ですよー。なんでそんなこと言うんですか？」

　【ナイス返し】
相手「最近、ちょっと元気ないんじゃない？」
　（実際はそうでもない）
自分「やっぱり、わかりますか。そうなんです、まあ、いろいろありますよね。でももう大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

　ポイントは、事実はどうでもいいということ。相手の言葉に乗っかって、同意と共感を。喜べることなら喜びも最大限表し、相手の気遣いには最大限の感謝をしましょう。