弁当が育む感謝の念と
行学一如の実践
同校は、昼食時は弁当を持参し、食事への感謝を込め「五観(ごかん)の偈(げ)」を唱和する。弁当には親の愛情と教育が詰まっている。自分は生かされていると気付き、親の思いを裏切ることはできないという感謝の念が、学習や部活動に真摯に打ち込む責任感へとつながっていくという。
さらに全校集会では、井上校長自らが生徒に気付きを促す話を、定期的に発信している。「良い気(き)も悪い気も伝染するため、明るい気を発することが重要だ」と説く「気」の話や、日本特有の「間(ま)」の文化、足元をしっかり見つめる「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」の教えなど、日常にひも付いた話を伝えている。こうしたメッセージは、保護者アンケートでも「子どもにもっと話してほしい」と好評を得ている。
学校ホームページの「駒トピ」では、井上校長自ら「校長観戦記」を執筆。大会などの結果報告だけでなく、生徒たちの多様な個性が輝く瞬間や「心」の学習につながるメッセージを発信し、保護者からも好評を得ている。
建学の理念は「行学一如(ぎょうがくいちにょ)」。行い(実践)と学問を一体のものと捉え、一生学び続けることを意味する。その実践の場として、福井県の永平寺や神奈川県の總持寺(そうじじ)で「本山拝登」を行い、境内の清掃や坐禅といった修行の体験を通じて自己と向き合う。長野県などで行う林間学校では、大自然の中で真っすぐに伸びる木々を観察する体験を通じ、人が素直に健やかに成長するためにはいかに周囲の環境が大切かという環境教育の視点を養っている。
さらに駒澤大学との高大連携も盛んだ。同大学での学びを経験する機会があり、大学での高度な学びを先取りして体感できる。
「人が喜ぶときに喜び、人が悲しむときに悲しむことができる人間に育ってほしい。3年間、目の前のことに真剣に生きることで、卒業する頃には生徒たちの顔つきは見違えるようにりりしく変わります」と井上校長。
温かな教員のまなざしと禅の教えに見守られながら、生徒たちは自らの道を切り開く豊かな人間へと成長していく。
※「そっ啄同時」の「そっ(そつ)」の漢字は、口+卒となります
