先週の米国市場は、主要株価指数がそろって急反発し
50日移動平均線を上回る!
先週の米国株式市場は、週間ベースでダウ工業株価平均指数(NYダウ)が+4.24%、S&P500指数が+4.3%、ナスダック総合指数が+5.3%と急反発しました。
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これらの主要株価指数は全て50日移動平均線より上で引けています。そのことは今回の調整局面が「ベア・マーケット(下落相場)入り」では無かったことを示唆しています。今後の相場のシナリオ的にも、基本、強気で臨んでOKだと思います。
しかし、これでS&P500指数は6連騰ですので少し上げピッチが急すぎます。ここで強欲は禁物、じっくりとポートフォリオの中身を、値動きの良い銘柄に入れ替えてゆくのが良いと思います。
具体的には、先週パフォーマンスが良かったセクターである、ハイテク(+4.8%)、工業(+4.7%)、ヘルスケア(+4.3%)などになります。
2017年第4四半期決算では、
78%の企業の売上高が予想を上回る過去最高の結果に
2017年第4四半期決算は、先週末までに8割のS&P500採用企業が決算発表を終え、EPSでは75%、売上高では78%の企業が事前予想を上回るポジティブ・サプライズを出しました。特に売上高では、78%の企業が予想を上回ったことは過去最高です。
例年、1月から2月にかけて発表される第4四半期決算では、次の年のガイダンス(会社側予想)が提示されます。新年度入りということで、予想数字が徹底的に見直される場合が多いです。今年は、ガイダンスの上方修正が特に目立ちました。
セクター別では、ヘルスケア、工業、ハイテクのガイダンス引上げが多かったです。これらのセクターは、先週、パフォーマンスが良かったセクターと一致しています。
つまり「今の相場は、業績の上方修正が多いセクターが素直に買われている」と言うことが出来るのです。
S&P500の1株当たり利益(EPS)は、再び上方修正が入り、2018年末の予想は157.57まで上がってきています。
すると、先週金曜日のS&P500の引け値が2732.22ですので、株価収益率(PER)は17.3倍ということになります。過去5年の平均PERは16倍、過去10年のそれは14.2倍です。すると現在のPERは、どちらかといえば割高だけど、極端な水準ではないということです。
米国10年債利回りは、2.9%を突破!
イールドカーブ全体が押し上げられる状況に
一方、米国10年債利回りは、いよいよ2.9%に乗せてきました。
2.9%という水準は、過去をずっとさかのぼってみると、まだまだ低い水準です。つまり、株高の基本要件が崩れてしまったわけでは決してないということです。
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国債(=財務省証券)の利回りを、償還期限の短いものから長いものまで横に並べて、その利回りを線でつないだチャートのことを「利回り曲線(イールドカーブ)」といいます。下は、米国の国債のイールドカーブを、去年の暮れに税制改革法案が成立する直前(青)と、現在(橙色)を比較したものです。
これを見ると、短期から長期まで、イールドカーブ全体が上に押し上げられていることがわかります。
一般に、イールドカーブの左側、すなわち短期の方は米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(FFレート)の今後の動きを反映しやすいと言われています。一方、イールドカーブの右側、すなわち長期の方は米国のインフレに対する市場参加者の期待を反映しやすいと言われています。
すると、イールドカーブの全部が持ち上がっているということは、市場参加者が「FRBは政策金利を引き上げるし、インフレも加速する」と見ていることを示します。
連邦準備制度理事会(FRB)は
予定通りに利上げができる状況に
連邦準備制度理事会(FRB)は、株式市場が大荒れになっているときは利上げを見送るものです。しかし先週は意外に早く株式市場が立ち直ったので、FRBは市場に気兼ねせず、当初の予定通り、粛々と利上げ出来る見込みが高まりました。
その関係で、次の連邦公開市場委員会(FOMC)のある3月21日の利上げ確率は、2月16日時点で83.1%まで上昇してきています。
つまり、株式市場が平常運転に戻ったことで、FRBも平常運転すれば良いことになるのです。
【今週のまとめ】
弱気相場に入るシナリオは遠のいた!
狙うべきは好決算企業
先週の米国株式市場は、1週間を通じてシッカリの展開でした。
株価が早期に50日移動平均線の上まで戻したので、弱気相場入りのシナリオは遠のいたと言えそうです。企業業績の上方修正が相次いでおり、それは株式のバリュエーションが許容できる範囲内にとどまることを可能にしました。
株式市場の立ち直りで、FRBは、予定通り3月21日のFOMCで0.25%の利上げをすると思います。
なお、銘柄的には、先週のコラムで紹介したフェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、エヌヴィディア(NVDA)、スナップ(SNAP)などの好決算企業を引き続き物色したいと思います。
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