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ユニゾンとの提携は頓挫
アデランスの改革に新局面

週刊ダイヤモンド編集部
2009年6月8日
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 アデランスホールディングスの旧経営陣にとっては、5月28日に開かれた株主総会は誤算というほかない。アデランス側が資本提携を計画していた投資ファンドのユニゾン・キャピタルの取締役候補全員が否決され、ユニゾンによる株式公開買い付け(TOB)も資本提携も頓挫した。

 渡部信男社長をはじめとする新経営陣11人(うち1人は6月1日に退任)のなかで7人が筆頭株主のスティール・パートナーズが推薦した取締役だ。スティール関係者は表向きは「われわれは企業価値を高めるために、経営手腕がある人物を推薦しただけで、経営そのものを行なう考えはない」としているが、アデランスへの影響力を強めているのは明らかだ。

 渡部社長は1969年にアデランスに入社、生産畑から副社長にまで上り詰めた人物。08年秋に元役員と一部の社員がスティールに社長候補として推薦した経緯もある。「人望が高い人物でないと、改革の大ナタは振るえない」(スティール関係者)。

 アデランス社内ではすでにリストラが話題に上っている。手っ取り早く、業績を回復できるためだ。スティールが表立って要求してきた不動産の売却や米子会社の統廃合にとどまらず、国内の不採算店舗の統廃合や人員削減も確実視されている。「スティールは再びアデランス株式の非上場を提案してくるのではないか」との見方も市場にはある。

 他方、新経営陣にとって試金石となるのが女性用かつらだ。

 「男性用かつら市場が縮小している一方、女性用かつらは潜在市場も大きく、成長が期待できる。にもかかわらず、これまでの経営陣は過去の成功体験にとらわれ過ぎ、女性向けのマーケティングが十分ではなかった」(金融関係者)

 もっとも課題は山積みだ。かつらへのアレルギーを持っている女性消費者が少なくないうえ、財布の紐も固くなっている。社内融和、リストラとともに、女性用かつらの商品力、売り場づくりに向けて大胆な舵取りができるか、新経営陣の手腕が試されている。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  大坪稚子)

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