
佐川急便を傘下に持つSGホールディングスが、台湾の物流企業を約1360億円で買収すると発表した。SGは、連結売上高2兆2000億円を目指す中期経営計画を進めている。そのうちグローバル物流事業で売上高6000億円、営業利益200億円、ROIC(投下資本利益率)8%超を目指している。買収はどんな狙いがあるのか。(カーゴニュース編集部)
台湾企業を大型買収した狙いとは
SGホールディングス(本社・京都市南区、栗和田榮一会長)は2月7日、台湾の大手フォワーダーであるモリソン・エクスプレス(Morrison Express Worldwide)を買収すると発表した。9億米ドル(約1360億円)を投じ、今年7月に完全子会社化する。
半導体や電子部品などの航空輸送に強みを持つモリソン社をグループ化することで、成長領域に位置付けるグローバル物流の拡大につなげる。都内で会見したSGHDの松本秀一社長は、「モリソン社をグループに迎えることで、エリア拡大や顧客インダストリーを拡大することができる。また、フォワーディングに付随する3PL事業の強化にもつながる」と買収の意義を強調した。
モリソン社は1972年設立のフォワーダー大手で、アジアや欧米などに94拠点を展開。特に半導体関連や電子機器などのハイテク分野の航空フォワーディングを得意としており、6000社以上の企業と取引がある。2024年12月期の連結売上高は約1400億円、連結営業利益は約53億円。フォワーディング事業における取扱量は、航空が年間約20万トン、海運が年間約10万TEU。