闇バイト強盗に「狙われる家」と「嫌がられる家」の明確な違い写真はイメージです Photo:PIXTA

相次ぐ闇バイト被害により、一般家庭の防犯対策に補助金を出す自治体が増えている。各自治体はどんなものにどのくらいの補助金を出しているのか。例を見ながら、補助金を賢く利用するポイントを挙げる。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

東京都は2025年度から補助金助成スタート
1世帯あたり最大いくらもらえる?

 いわゆる「闇バイト」を実行犯とする侵入強盗事件が大きな社会問題となっている。2024年度の犯罪統計資料(警察庁)によれば、住宅侵入盗の認知件数は1万6000件と前年より微減しているが、その手口は凶悪だ。

 狙われるのは高齢者が住む一戸建てで、ドアや窓ガラスを破壊して侵入、中に住人がいた場合は危害を加えることも躊躇しない。金品ばかりか、生命を奪われることもある。首都圏での被害が相次いだこともあり、防犯設備購入費用に対し補助金を出す自治体が増えている。

 東京都は2025年度から、個人宅に設置する防犯カメラやカメラ付インターホンなどの購入費等に補助金を出すと発表した。市区町村を通じ、一世帯当たり最大2万円とのことだ。

 強盗対策として大事なポイントは、大きく3つある。玄関からの侵入を防ぐために防犯性の高い鍵にする、インターホンで相手を確認する、窓からの侵入を防ぐ対策を取ることだ。それに沿った対策品の購入が補助の対象になっている。すでに同様の補助を実施している自治体もあるので、それを参考に具体的な品目を見ていこう。

 23年度から実施していた足立区では、防犯カメラ、インターホン連携型カメラに対して2分の1の補助を出している。防犯カメラで上限3万円、インターホンで上限1万5000円ほどだ。

 侵入盗対策品16品目も補助対象となっており、防犯フィルム・ガラス破壊センサー・窓センサー付きアラーム・補助錠の取り付けなどの窓回り、防犯性能の高い玄関錠の取付け・ドアスコープカメラ・センサーライトなどの玄関・勝手口、外回りに防犯砂利を敷く費用などに対し、こちらも費用の2分の1(センサーライト5000円、防犯フィルム1500円~7500円など、上限金額あり)。16品目の侵入盗対策物品は2品目までが申請可能だ。

 目黒区の助成事業では、防犯フィルムなどの他、録画付きドアホンやドアと壁との隙間をふさぎ、こじ開けを防止するためのガードプレートなども対象品に入る。かかった費用が5000円以上のものに対し、費用の2分の1、上限1万円を助成する。二世帯住宅でも、住民票上で世帯が別で玄関が2カ所以上ある場合は、別々に申請できる。マンション居住でも、部屋ごとに申請できるという。

 東京以外では、千葉県船橋市や埼玉県深谷市(65歳以上のみの世帯)などでも実施中だ。

※足立区の24年度分は2月28日まで。他の自治体もそれぞれ実施期間を確認のこと。