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セイコーHD社長の解任劇
決め手は和光の調査報告書

週刊ダイヤモンド編集部
2010年5月10日
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 時計最大手のセイコーホールディングス(SHD)で村野晃一会長兼社長が解任され、創業家の服部真二副社長が新社長に就いた。

 その狙いは、大株主の服部禮次郎氏と、その秘書として異例の出世を遂げた鵜浦典子取締役、2人の影響力を排除することだった。事実、禮次郎氏には名誉会長という名誉職だけが残り、鵜浦氏は子会社すべての役職から退き、6月の株主総会で取締役も退任する。

 2007年に鵜浦氏がSHD取締役に就任した後、2人の意に沿わない役員4人が次々と辞任に追い込まれた。村野会長兼社長は唯々諾々と2人の意向に従い、取締役会は有名無実化した。2人が代表取締役の子会社の和光では17億円の債務超過に陥る一方、パワーハラスメントなどが横行していた。

 業を煮やした労働組合は今年3月、株主代表訴訟を辞さない構えで、SHD経営陣に損害賠償を請求するよう監査役に求めた。弁護士6人による調査委員会が設立され、約1ヵ月で約150ページに及ぶ調査報告書がまとまった。

 報告書では、和光におけるパワハラの実態が明らかにされた。07年に労働審判が起こされ、和光が約1700万円の和解金を支払っていた事実などが判明した。他の事案も民事・刑事事件へ発展する可能性が強いと見られた。

 しかし、2人は別の弁護士を立て、新たな調査委員会を設置し、もみ消そうと試みた。事態を重く見た原田明夫社外取締役(元検事総長)らが動き、解任劇に至った。

 服部新社長は本誌の取材に応じ、「和光の報告書が決め手となった。健全なコーポレートガバナンス実現に全力を尽くしたい」と言う。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志)

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