【歯科医が教える】歌うだけで二重アゴがすっきり?「国民的アニメ」の主題歌とは写真はイメージです Photo:PIXTA

小顔に憧れる人は多く、美容医療ではボトックスやハイフ治療、リフトアップや脂肪溶解注射などが行われています。一方で、横顔の「アゴのたるみ」は見落とされがちですが、老けて見える最大のポイントでもあります。しかも、アゴのたるみには健康障害が潜んでいるケースも。近年増えている、「太っていないのに二重アゴ」の正体に迫ります。(歯科医師 宮本日出)

舌が正常な位置にない人が増えている

 突然ですがあなたは、「舌の正しい位置」を知っていますか?恐らくほとんどの人が、いいえと答えるでしょう。

 近年、食生活の変化やスマホの普及などが原因で、顔や口に障害が出る人が増えており、舌の位置にも影響しているのです。

 振り返ると昭和の時代は「硬い食材」が現代よりはるかに多く、日本人はよく噛んで食べていました。例えば、歌手で映画スターでもあった石原裕次郎さんはガッチリしたアゴをしています。それが平成に進むと、レトルト食品や冷凍食品が普及し、柔らかい食材、とろけるような食感が美味しさの基準になりました。例えば今の時代だと、嵐の二宮和也さんはほっそりしたアゴをしています。

 食生活の変化は顔、特にアゴに表れます。アゴが小さくなると、噛む機能が低下します。アゴは小さくなっても歯のサイズは変わらないので、歯並びが悪くなります。口の中のスペースが小さくなると舌を自由に動かせる範囲が限られて、発音、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になります。舌を収めるスペースが狭いと、舌が本来の位置ではなくなります。これが現代人の口の障害です。