指数に連動するインデックス型投資信託だからこそ重要なのが日々引かれる運用コストである信託報酬だ。ここにきて、様々な信託報酬が安いインデックス型投資信託が新しく続々と設定されている。各投資先別の最安コストの投資信託はどれか。最新のデータを公開しよう(表のデータは2016年1月8日時点。信託報酬は実質のもので税込。小数点以下第3位を四捨五入した)。
「たわら」と「ニッセイ」が最安コストで激戦の中、
日本株型は「インデックスe」が最安に躍り出た!
指数に連動するインデックス型投資信託の信託報酬(保有期間中日々引かれるコスト)引き下げ競争が激化中だ。
三井住友アセットは年金運用向けで低コストの「確定拠出年金(DC)用投資信託」を楽天証券などで一般向けに販売をスタート。さらに、15年11月に元々低コストだった「ニッセイノーロード」シリーズが、国内債券型、外国債券型、外国株式型の3本において信託報酬のさらなる引き下げを実施。12月には、DIAMアセットが業界最安水準の「たわらノーロード」シリーズを設定。さらに、年明けの1月8日には、これに対抗するかのように、三井住友トラストの「インデックスe」シリーズが、日本株型で信託報酬が最安となる日経225インデックスeを新設定した。
まさに、くんずほぐれつの低コスト合戦が繰り広げられているのだが、現状で、主要な投資先別の最安のインデックス投資信託はどれなのか。
ほとんどのタイプで最安なのは、15年12月に設定されたばかりの「たわらノーロード」シリーズ。しかし、11月に3タイプの信託報酬の引き下げに動いた「ニッセイノーロード」シリーズも負けてはいない。国内債券型やグローバル債券型では、たわらノーロードと同率1位。そのほかのタイプでも僅差に留めている。
また、現在はネット証券3社でしか取り扱いがないが、DC専用で低コストの三井住友DCも最安の2本に僅差に迫っている。国内債券型、グローバル債券型は同率1位のたわらノーロードとニッセイノーロードとの差がわずか0.01ポイントだ。
日本株型においては、1月8日に設定されたばかりのインデックスeが、たわらノーロードにわずか0.005ポイントの差で最安となっている。
EXE-iシリーズも低コストで注目。ただし、EXE-iは低コストの海外ETFに投資するファンドオブファンズで、連動指数が他と異なるため、単純に成績で比較できない点には注意が必要だ。
■グローバルリートのインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
|||
1位 | DIAM-たわらノーロード 先進国リート | 0.38% | ||||
2位 | SBI-EXE-iグローバルREITファンド | 0.39% | ||||
3位 | ニッセイ-〈購入・換金手数料なし〉 ニッセイグローバルリートインデックスファンド |
0.49% | ||||
4位 | 三井住友TAM-SMT グローバルREITインデックス・オープン | 0.59% | ||||
4位 | 野村インデックスファンド・外国REIT(愛称:Funds-i外国REIT) | 0.59% | ||||
6位 | ブラックロック-i-mizuho先進国リートインデックス (為替ヘッジあり) |
0.64% | ||||
7位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS先進国リートインデックス | 0.65% |
■国内リートのインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
|||
1位 | DIAM-たわらノーロード 国内リート | 0.32% | ||||
2位 | ニッセイ-<購入・換金手数料なし> ニッセイJリートインデックスファンド |
0.36% | ||||
3位 | ブラックロック-i-mizuho国内リートインデックス | 0.42% | ||||
4位 | 三井住友TAM-SMT J-REITインデックス・オープン | 0.43% | ||||
4位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS国内リートインデックス | 0.43% | ||||
4位 | 野村インデックスファンド・J-REIT (愛称:Funds-i J-REIT) |
0.43% |
■グローバル債券のインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
|||
1位 | DIAM-たわらノーロード 先進国債券 | 0.22% | ||||
1位 | ニッセイ-〈購入・換金手数料なし〉 ニッセイ外国債券インデックスファンド |
0.22% | ||||
3位 | 三井住友・DC外国債券インデックスファンド | 0.23% | ||||
4位 | SBI-EXE-i先進国債券ファンド | 0.43% | ||||
5位 | 三井住友TAM-SMTグローバル債券インデックス・オープン | 0.54% | ||||
6位 | 三井住友TAM-外国債券インデックスe | 0.54% | ||||
7位 | 野村インデックスファンド・外国債券・ 為替ヘッジ型(愛称:Funds-i外国債券・為替ヘッジ型) |
0.59% | ||||
8位 | ブラックロック-i-mizuho先進国債券インデックス (為替ヘッジあり) |
0.62% | ||||
9位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS先進国債券インデックス | 0.65% |
■国内債券のインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
|||
1位 | DIAM-たわらノーロード 国内債券 | 0.16% | ||||
1位 | ニッセイ-<購入・換金手数料なし> ニッセイ国内債券インデックスファンド |
0.16% | ||||
3位 | 三井住友・日本債券インデックスファンド | 0.17% | ||||
4位 | 三井住友TAM-SMT国内債券インデックス・オープン | 0.40% | ||||
4位 | 三井住友TAM-日本債券インデックスe | 0.40% | ||||
6位 | ブラックロック-i-mizuho国内債券インデックス | 0.41% | ||||
7位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS国内債券インデックス | 0.43% | ||||
7位 | 野村インデックスファンド・国内債券 (愛称:Funds-i国内債券) |
0.43% |
■新興国株のインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
|||
1位 | SBI-EXE-i新興国株式ファンド | 0.39% | ||||
1位 | 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド | 0.60% | ||||
3位 | ブラックロック-i-mizuho新興国株式インデックス | 0.63% | ||||
4位 | 三井住友TAM-SMT新興国株式インデックス・オープン | 0.65% | ||||
4位 | 三菱国際UFJ-eMAXIS新興国株式インデックス | 0.65% | ||||
4位 | 野村インデックスファンド・新興国株式 (愛称:Funds-i 新興国株式) |
0.65% |
■グローバル株のインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
|||
1位 | DIAM-たわらノーロード 先進国株式 | 0.24% | ||||
2位 | ニッセイ-〈購入・換金手数料なし〉 ニッセイ外国株式インデックスファンド |
0.26% | ||||
3位 | 三井住友・DC全海外株式インデックスファンド | 0.27% | ||||
4位 | SBI-EXE-i先進国株式ファンド | 0.36% | ||||
5位 | 三井住友TAM-SMTグローバル株式インデックス・オープン | 0.54% | ||||
5位 | 三井住友TAM-外国株式インデックスe | 0.54% | ||||
7位 | 野村インデックスファンド・外国株式・ 為替ヘッジ型(愛称:Funds-i外国株式・為替ヘッジ型) |
0.59% | ||||
8位 | ブラックロック-i-mizuho先進国株式インデックス (為替ヘッジあり) |
0.62% | ||||
9位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS先進国株式インデックス | 0.65% |
■日本株のインデックス投資信託の信託報酬ランキング | ||||||
順位 | 投資信託名 | 信託報酬 | 投資信託 情報詳細 |
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1位 | 三井住友TAM-日経225 インデックスe | 0.205% | ||||
2位 | たわら ノーロード | 0.211% |
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3位 | ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド | 0.27% | ||||
4位 | 三井住友TAM-SMT日経225インデックス・オープン | 0.40% | ||||
5位 | ブラックロック-i-mizuho国内株式インデックス | 0.41% | ||||
6位 | 三菱UFJ国際-eMAXIS日経225インデックス | 0.43% | ||||
6位 | 野村インデックスファンド・日経225 (愛称:Funds-i日経225) |
0.43% |
積み立てでも一括購入でも低コストが重要!
0.4ポイントの信託報酬の違いでも影響大
そもそも、信託報酬とは、保有期間中日々引かれるコストのこと。基準価額は信託報酬を差し引いた後の純資産総額を口数で割ったものなので、信託報酬の違いによって、全く同じ運用をしていても基準価額に差が出る。
現状、インデックス投資信託の信託報酬の差は、国内リート型は約0.1ポイントしかないが、グローバル債券型やグローバル株型は0.4ポイント超の差がついている。信託報酬がわずか0.4ポイントしか違わなくても、年率3%で運用する場合、信託報酬が年率0.2%の投資信託と、年率0.6%の投資信託では、運用開始から30年後、基準価額に約2500円の差が出る。
信託報酬は日々引かれるコストなので、長期で保有するほど影響が大きい。
低コストのインデックス型投資信託は将来の老後資金などを積み立てるのにぴったりな商品で、長期で運用するからこそ、過去の積み立て分も含め信託報酬が最安の投資信託に早めに乗り換えることも大切。長期投資だからといってほったらかしにするのではなく、投資信託の信託報酬を比較して、自分の保有している投資信託の信託報酬が高ければ、今後の積み立てとともに、これまで積み立てた資産を低コストの投資信託に移し替えることも重要だ。過去の投資資金が貯まっていればいるほど、信託報酬の影響は大きくなるからだ。これだけで将来の運用成績にプラスに働くことになる。
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