◆ニッセイアセットマネジメントは5月29日、インデックスファンド<購入・換金手数料なし>シリーズの4銘柄の信託報酬を6月14日から引き下げることを発表した。対象は以下の4銘柄。
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
(0.10230%以内⇒0.09889%以内)
・<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
(0.154%以内⇒0.143%以内)
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
(0.154%以内⇒0.143%以内)
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド
(0.2079%以内⇒0.1859%以内)
この引き下げにより、各ファンドはそれぞれの資産クラスで業界最安値水準となる。
「ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズ」や「eMAXIS Slimシリーズ」「たわらノーロードシリーズ」などのあいつぐ信託報酬引き下げや、「PayPay投信インデックスファンド」や「Tracers」の新規参入など、ここ数年、インデックスファンドの競争がますます激化している。運用コストが下がるのは個人投資家にとって非常にありがたいのだが、反面、「結局、どのインデクスファンドが一番お得なのか」が、わかりにくくなってしまった。
また、投資信託の運用コストは信託報酬だけではない。わずかだが売買委託手数料など、その他の「隠れたコスト」も発生している。本当にお得なインデックスファンドを選びたいなら、信託報酬以外のコストを加味した「実質コスト」も比較したい。
⇒「実質コスト」の計算方法はこちら
そこで今回は、低コスト・インデックスファンのなかでも複数の証券会社で扱いがあって購入しやすく、個人投資家にも比較的人気が高い以下の16シリーズを比較。それぞれの「信託報酬」と、運用報告書などから計算した「実質コスト」を比べてランキングを作成した。
○ ニッセイ<購入・換金手数料なし>
○ たわらノーロード
○ eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)
○ eMAXIS(イーマクシス)
○ iFree
○ 三井住友・DC
○ My SMT インデックス
○ SMT インデックス
○ インデックスe
○ 野村インデックスファンド(愛称:Funds-i)
○ 野村つみたて
○ iシェアーズ
○ 楽天インデックス・シリーズ
○ Smart-i
○ SBIインデックス・ファンド(旧:EXE-i つみたて)
○ PayPay投信インデックスファンド
○ Tracers
ランキング作成にあたり、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」のようなファンド・オブ・ファンズは、ファンド本体の信託報酬にETFの信託報酬などを加えた「実質的な負担」で比較した。
なお「インデックスファンドとは何か?」という解説や、「つみたてNISA対応のインデックスファンド」、さらにインデックスファンドを組み合わせた「バランスファンド」については、以下の記事でくわしく紹介しているので参考にして欲しい。
【※インデックスファンドの基本的な解説はこちら!】
⇒「インデックスファンド」の意味や特徴から、代表的な銘柄まで、初心者にもわかりやすく解説! 低コストで簡単に分散投資できるのがメリット!
【※つみてたNISA対応のインデックスファンドはこちら!】
⇒つみたてNISA(積立NISA)のインデックス型投信の中で、信託報酬の安い商品を厳選して紹介! 騰落率や取り扱いのある金融機関にも注目して商品を選ぼう!
【※バランスファンドの比較記事はこちら!】
⇒【2022年版】バランスファンドおすすめ比較! リスクや信託報酬などファンド選びのポイントから、おすすめ「低コスト・バランスファンド」まで解説!
|
全世界株式
■全世界株式 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
番 外 |
Tracers 世界株式(※1) |
0.05775% (※2) |
ー | 4.89 | ||
1 位 |
SBIインデックス 全世界株式(※3) |
0.1102% (※4) |
0.123% (※5) |
1098.10 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)(※1) |
0.1131% (※6) |
0.169% (※7、※8) |
11050.40 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
0.1131% (※6) |
0.172% (※7、※8) |
2536.76 | ||
番 外 |
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)(※9) |
0.1133% | 0.187% | 75.69 | ||
4 位 |
たわらノーロード 全世界株式(※1) |
0.1133% |
0.215% (※8) |
60.42 | ||
5 位 |
Smart-i 全世界株式(※4) |
0.1144% | ー | 5.67 | ||
5 位 |
Smart-i 全世界株式(除く日本) |
0.1144% | ー | 3.38 | ||
番 外 |
ニッセイ 世界株式(※10) |
0.1144% | 0.274% | 14.71 | ||
7 位 |
SBIインデックス V・全世界株式(※1) |
0.1338% (※11) |
0.163% (※12) |
233.54 | ||
8 位 |
楽天インデックス 全世界株式(※1) |
0.202% (※13) |
0.228% (※14) |
2890.11 | ||
9 位 |
野村つみたて 外国株 |
0.209% | 0.238% | 878.61 | ||
10 位 |
三井住友・DC 全海外株式 |
0.275% | 0.355% | 1483.73 | ||
11 位 |
eMAXIS 全世界株式 |
0.66% | 0.722% | 270.54 | ||
※2023年6月2日時点。注記のないものは、すべて「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 日本を含む「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動。※2 一般的に含まれる指数の標章使用料などのコストが含まれていない信託報酬。指数の標章使用料は、0.1%を上限とする「諸費用」として、別途コストとして発生する。※3 日本を含む「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」に連動。※4「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.081%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.042%を加えた「実質的な負担」。※5「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.091%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.042%を加算。※6 純資産総額500億円未満の部分は0.1133%、500億円以上1000億円未満の部分は0.11319%、1000億円以上の部分は0.11308%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※7 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。※8 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。※9「TOPIX」と「MSCIコクサイ・インデックス」「MSCIエマージング・インデックス」の各インデックスファンドを33.3%ずつ組み合わせたバランスファンド。※10「TOPIX」と「MSCIコクサイ・インデックス」「MSCIエマージング・インデックス」の各インデックスファンドを名目GDP総額の比率に基づいて組み合わせたバランスファンド。※11「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.0638%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.07%を加えた「実質的な負担」。※12「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.093%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.07%を加算。※13「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.132%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.07%を加算した「実質的な負担」。※14「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.160%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.07%を加算。 |
1銘柄を買うだけで、先進国に新興国も加えた世界中すべての株式市場に幅広く投資できるのが、全世界株式インデックスファンドのメリットだ。株式に関して自分でポートフォリオを考えなくていいという意味で、初心者にもわかりやすく、非常に使い勝手の良い商品と言える。
信託報酬を比較すると「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」がトップ、2位が今年に入って信託報酬を引き下げた「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の2銘柄、そして僅差で「たわらノーロード 全世界株式」がランクインした。
なお「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の信託報酬は、純資産総額が500億円未満の部分は0.1133%、500億円以上1000億円未満の部分が0.11319%1000億円以上の部分が0.11308%と決まっているので、情報更新時の時価総額をもとに平均信託報酬を算出している。
また、2023年4月26日に設定された「Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)」は信託報酬だけ見ると0.05775%(税込)とダントツに安いが、内容をよく見ると、通常含まれる「指数の標章使用料」が信託報酬に含まれていない。他のファンドの信託報酬には含まれているので、公平に比較できないとして「番外」扱いとした。1年後には運用報告書などが出て、実質コストが計算できるようになるので楽しみにしておこう。
全世界株式のインデックスファンドを選ぶ際の注意点としては、ベンチマークとする指数の違いにより、日本株をが投資対象に入っているファンドと入っていないファンドが混在していることだ。1本で文字どおり「世界中の株」をバランス良く買いたいという人は、日本株を含むファンドがおすすめ。一方、ある程度の日本株や日本株ファンドをすでに保有している人、日本株と海外株は別々の商品に分けて管理したい人、日本株は自分で積極的に売買したいという人などは、日本株を含まない4銘柄の中から選ぶといいだろう。
■全世界株式インデックスファンドの分類 | ||
日本株 | ベンチマーク | ファンド名 |
○ 対象 |
MSCI ACWI※ | ◆eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) ◆Smart-i Select 全世界株式インデックス ◆たわらノーロード 全世界株式 ◆Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) |
FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス | ◆SBI・全世界株式インデックス・ファンド ◆楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
|
× 対象外 |
MSCI ACWI(除く日本)※ |
◆eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) ◆Smart-i Select 全世界株式インデックス(除く日本) ◆野村つみたて外国株投信 ◆三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド ◆eMAXIS 全世界株式インデックス |
※「MSCI ACWI」は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」の略称。 |
もっとも、日本株が投資対象として含まれている「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」のどちらも日本株の割合は5〜6%とそれほど高くはないうえ、今は世界中の株式市場が連動して動くことが多い。そのため、2つの指数の値動きには大きな差はないので、気軽に選んでも大丈夫だ。
なお、MAXIS Slimシリーズからは、日本株が投資対象に含まれる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と、含まれない「MAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」、さらに今回番外で紹介した「MAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」の3タイプが出ていて、ややこしいので気をつけよう。
「MSCI ACWI」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」の中身を比較すると、ポートフォリオを構成する国の比率は非常に似ている。ただ、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は小型株も含まれるが「MSCI ACWI」には含まれない、という違いがある。小型株は金額的な比率は低いので、値動きにそこまで大きな影響は与えないが、「大型株から小型株まで、できるだけ幅広く投資したい」と考える人は、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」か「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を候補として考えるといいだろう。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」のマザーファンド、つまり実質的な中身である「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」は、純資産総額が約100億ドルもある超メジャーなETFで、日本で米国株投資をしている個人投資家にも非常に人気が高い。それを、楽天投信投資顧問に対する信託報酬分のコストが上乗せされるとはいえ、投資信託の形で気軽に積立購入できるのは大きな魅力と言える。
なお、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)」と「MAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」も1本で世界中の株式に分散投資できる商品なので合わせて紹介したが、複数のインデックスファンドを組み合わせたバランスファンドなので、ランキング上では「番外」扱いとした。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)」は、毎年公表される名目GDP(国内総生産)総額の比率に合わせて国内株式、先進国株式(除く日本)、新興国株式の資産配分を決めるバランスファンドで、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」と比較すると新興国株式の割合が高いのが特徴だ。一方「MAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」は、「TOPIX」と「MSCIコクサイ・インデックス(日本を除く)」「MSCIエマージング・インデックス」を1/3ずつ組み合わせたバランスファンドだ。1/3ずつという比率に投資効率的な意味合いはないが、中身がわかりやすいというメリットはあるだろう。
▲目次へ |
日本株式(TOPIX型・日経平均型)
■日本株式(TOPIX型)インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) |
0.1430% (※1) |
0.147% (※2、※3) |
744.77 | ||
2 位 |
ニッセイ TOPIX |
0.143% ※6/14〜 |
0.145% (※3)※6/14〜 |
605.02 | ||
2 位 |
My SMT TOPIX |
0.154% | 0.159% | 12.97 | ||
2 位 |
Smart-i TOPIX |
0.154% | 0.163% | 49.69 | ||
2 位 |
iFree TOPIX |
0.154% | 0.167% | 103.88 | ||
6 位 |
三井住友・DC 日本株式 |
0.176% | 0.184% | 916.11 | ||
7 位 |
たわらノーロード TOPIX |
0.187% | 0.197% | 67.97 | ||
8 位 |
SMT TOPIX |
0.407% | 0.413% | 254.65 | ||
8 位 |
日本株式 インデックスe |
0.407% | 0.412% | 36.56 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) TOPIX |
0.44% | 0.444% | 45.81 | ||
10 位 |
eMAXIS TOPIX |
0.44% | 0.444% | 179.09 | ||
※2023年6月2日時点。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 純資産総額500億円未満の部分は0.143%、500億円以上1000億円未満の部分は0.14289%、1000億円以上の部分は0.143278%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※2 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。※3 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。 |
日本株全体の値動きを表す指数としてよく使われるのが、「TOPIX」と「日経平均株価(日経225)」の2つ。日経平均株価が代表的な225銘柄で構成されているのに対し、TOPIXは東証一部に上場するすべての銘柄の株価から算出される。そのため、「より幅広い銘柄に分散投資できる」という理由から、日本株のインデックスファンドとしてTOPIX型を選ぶインデックス投資家も多い。
TOPIX型の信託報酬ランキングは、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が僅差でトップに輝いた。「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」の信託報酬は、純資産総額が500億円未満の部分は0.143%、500億円以上1000億円未満の部分が0.14289%、1000億円以上の部分が0.14278%。500億円以上の部分の信託報酬が低くなっている分、ライバルより一歩抜きん出る結果となった。
ただ、その差は0.001%以下の違いなので、1000万円の保有でもコストの差は年間数百円程度だ。インデックスファンドを選ぶときはコストの安い商品を選ぶことが大事だが、ここまで僅差になってくると、どこまでこだわるかは個人の好みだろう。
一方、実質コストで見ると「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」がわずかにリードしている。
■日本株式(日経平均型)インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
たわらノーロード 日経225 |
0.143% |
0.145% (※1) |
906.98 | ||
1 位 |
ニッセイ 日経平均 |
0.143% ※6/14〜 |
0.146% (※1)※6/14〜 |
494.11 | ||
1 位 |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) |
0.143% |
0.148% (※1) |
290.77 | ||
1 位 |
PayPay投信 日経225 |
0.143% | 0.426% | 8.45 | ||
3 位 |
iFree 日経225 |
0.154% | 0.161% | 462.37 | ||
3 位 |
My SMT 日経225 |
0.154% | 0.163% | 38.13 | ||
7 位 |
野村つみたて 日経株 |
0.187% | 0.193% | 147.89 | ||
8 位 |
Smart-i 日経225 |
0.187% | 0.206% | 64.64 | ||
9 位 |
日経225 インデックスe |
0.209% | 0.217% | 16.15 | ||
10 位 |
iシェアーズ 国内株式 |
0.3575% | 0.437% | 44.44 | ||
11 位 |
SMT 日経225 |
0.407% | 0.413% | 349.76 | ||
12 位 |
野村(Funds-i) 日経225 |
0.44% | 0.446% | 597.59 | ||
13 位 |
eMAXIS 日経225 |
0.44% | 0.446% | 389.16 | ||
※2023年6月2日時点。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。 |
日経平均株価は、投資対象の幅広さではTOPIXに劣るものの、日本株の値動きを表す指数としてはより一般的に使われているため、日経平均型のインデックスファンドを選ぶ個人投資家も多い。
ランキングは、2023年に入って相次いで信託報酬を引き下げた「たわらノーロード 日経225」「<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド」「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」、そしてた「PayPay投信 日経225インデックス 」の4銘柄がトップに並んだ。ただし「PayPay投信 日経225インデックス 」は実質コストが高めなので要注意。今後の改善に期待したいところだ。
▲目次へ |
先進国株式
■先進国株式 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 先進国株式 |
0.09779% (※1) |
0.142% (※2、※3) |
4582.55 | ||
2 位 |
ニッセイ 外国株式 |
0.9889% ※6/14〜 |
0.137% ※6/14〜(※3) |
4929.49 | ||
2 位 |
たわらノーロード 先進国株式 |
0.09889% |
0.145% (※3) |
3121.77 | ||
番 外 |
SBIインデックス 先進国株式(※4) |
0.1022% (※5) |
0.124% (※6) |
157.30 | ||
4 位 |
My SMT グローバル株式 |
0.1023% | 0.142% | 36.29 | ||
5 位 |
iFree 外国株式 |
0.209% | 0.241% | 317.18 | ||
6 位 |
Smart-i 先進国株式 |
0.22% | 0.286% | 349.20 | ||
7 位 |
iシェアーズ 先進国株式 |
0.4125% | 0.475% | 30.85 | ||
8 位 |
外国株式 インデックスe |
0.55% | 0.577% | 227.51 | ||
8 位 |
SMT グローバル株式 |
0.55% | 0.582% | 1600.88 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) 外国株式 |
0.605% | 0.623% | 434.55 | ||
11 位 |
eMAXIS 先進国株式 |
0.66% | 0.704% | 696.64 | ||
※2023年6月2日時点。注記のないものは、すべて「MSCIコクサイ・インデックス」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1 純資産総額500億円未満の部分は0.09889%、500億円以上1000億円未満の部分は0.09823%、1000億円以上の部分は0.09757%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※2 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。※3 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。※4「FTSEデベロップド・オールキャップ・インデックス」に連動。※5 「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.0682%(税込)に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.034%(税込)を加算した「実質的な負担」。※6「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.090%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.034%(税込)を加算。 |
先進国株式型のランキングだが、こちらも2023年に信託報酬を引き下げた「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」「ニッセイ外国株式インデックスファンド」「たわらノーロード 先進国株式」の3銘柄がトップに輝いた。
なかでも「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は、純資産総額が500億円未満の部分の信託報酬は0.09889%、500億円以上1000億円未満の部分が0.09823%、1000億円以上の部分が0.09757%(すべて税込)の「受益者還元型信託報酬率」を採用しているのが強みとなり、見事1位となった。
一方、実質コストは「ニッセイ外国株式インデックスファンド」がトップだ。
なお、「SBI・先進国株式インデックス・ファンド(旧:EXE-i つみたて 先進国株式ファンド)」が「番外」になっているのは、このファンドだけ「FTSEデベロップド・オールキャップ・インデックス」をベンチマークにしているからだ。
他の先進国株式インデックスファンドは、すべて「MSCIコクサイ・インデックス」をベンチマークにしている。これは、米MSCI社が提供する指数で、“日本を除く”先進国の大型株、中型株、1300銘柄以上で構成される。
それに対し「FTSEデベロップド・オールキャップ・インデックス」は、資産の6.67%を日本株に投資(2022年3月末時点)しているため、ランキングでは「番外」とした。「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」を購入する人は、投資先に日本株が含まれていることを計算したうえで、ポートフォリオを組み立てよう。
なお、「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」を含む「SBIインデックスファンドシリーズ」は、ETFに投資をする「ファンド・オブ・ファンズ」だ。そのため、表における「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」の信託報酬は、「ファンド自体の信託報酬」と「投資対象とするETFの信託報酬など」を合計した「実質的な負担」を掲載している。
また、特殊な商品なのでランキングには入れていないが、2030年12月31日まで「信託報酬が0%」という究極の低コストインデックスファンド「野村スリーゼロ先進国株式投信」が2020年3月16日から販売されている。2031年以降の信託報酬は0.11%以内(税込)とし、「同種ファンドにおける業界最低水準を目指して決定します」とのことだ。
ちなみに、ほとんどの先進国型インデックスファンドのベンチマークとして使われている「MSCIコクサイ・インデックス」は、国別の比率を見ると約70%を米国株式が占めている。また、米国に次いで比率が高いイギリス、フランスなどの欧州株式も、米国株とある程度値動きの連動性がある。そのため、先進国型の代わりに、より信託報酬の低い米国株式のインデックスファンドを積み立てる投資家も増えている。国際分散の徹底よりも信託報酬の低さを重視する人や米国株の成長性に期待する人なら、米国株式型インデックスファンドを選ぶのも悪くない選択肢だろう。
【※関連記事はこちら!】
⇒「米国株型」インデックス投信の中で、信託報酬が安くておすすめの7本を紹介! コスト最安は2022年3月に設定された「PayPay投信 米国株式インデックス」!
▲目次へ |
新興国株式
■新興国株式 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
SBIインデックス 新興国株式(※1) |
0.176% (※2) |
0.193% (※3) |
202.21 | ||
2 位 |
eMAXIS Slim 新興国株式 |
0.1858% (※4) |
0.361% (※5、※6) |
1080.37 | ||
3 位 |
ニッセイ 新興国株式 |
0.1859% ※6/14〜 |
0.498% (※6)※6/14〜 |
33.49 | ||
3 位 |
たわらノーロード 新興国株式 |
0.1859% |
0.531% (※6) |
165.59 | ||
5 位 |
My SMT 新興国株式 |
0.187% | 0.419% | 5.13 | ||
6 位 |
楽天インデックス 新興国株式(※7) |
0.212% (※8) |
0.281% (※9) |
29.45 | ||
7 位 |
iFree 新興国株式(※10) |
0.374% | 0.658% | 108.24 | ||
7 位 |
インデックスファンド 海外新興国株式 |
0.374% | 0.713% | 412.21 | ||
7 位 |
三井住友・DC 新興国株式 |
0.374% | 0.609% | 53.50 | ||
7 位 |
Smart-i 新興国株式 |
0.374% | 0.683% | 39.26 | ||
11 位 |
iシェアーズ 新興国株式 |
0.484% | 0.579% | 12.32 | ||
12 位 |
野村(Funds-i) 新興国株式 |
0.66% | 0.772% | 60.81 | ||
12 位 |
eMAXIS 新興国株式 |
0.66% | 0.832% | 343.08 | ||
12 位 |
SMT 新興国株式 |
0.66% | 0.856% | 280.69 | ||
※2023年6月2日時点。注記のないものは、すべて「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド設定から1年未満のため不明のもの。※1「FTSE エマージング・インデックス」に連動。※2「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.066%に「投資対象とする投資対象ファンドの信託報酬等」0.11%を加算した「実質的な負担」。※3「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.083%(有効数字の桁数の関係で小数点第4位で四捨五入)に、「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.11%を加算。※4 純資産総額500億円未満の部分は0.187%、500億円以上1000億円未満の部分は0.18645%、1000億円以上の部分は0.1859%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※5 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。※6 実質コストは、信託報酬引下後の運用報告書などが出ていないため、引き下げ前の「1万口当たりの費用」などで計算した参考値。※7「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」に連動。※8「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」の信託報酬0.132%に「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.08%を加えた「実質的な負担」。※9「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」の実質コスト0.258%に、「投資対象とする投資信託証券における報酬」0.08%を加算。※10 「FTSE RAFI エマージング・インデックス」に連動。 |
新興国インデックスファンドは、信託報酬、実質コストともに「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」がランキング1位に輝いた。SBIインデックスシリーズは、全世界株式に続き、2冠を達成したことになる。
続く2位には、信託報酬を引き下げた「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」がランクイン。こちらも、純資産総額が500億円未満の部分の信託報酬はが安くなる「受益者還元型信託報酬率」を採用したころで、同率3位のニッセイとたわらノーロードから一歩リードした形だ。
なお、ほとんどの新興国株式インデックスファンドがすべて「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」に連動しているのに対し、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」は「FTSE エマージング・インデックス」、「iFree 新興国株式インデックス」は「FTSE RAFI エマージング・インデックス」、「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」は「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」という、それぞれ異なる指数をベンチマークにしている。どれも新興国株式の動きに連動しているのは同じだが、カバーしている国や投資対象などが微妙に違っているので、気になる人はチェックしておこう。
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日本債券
■日本債券 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
ニッセイ 国内債券 |
0.132% | 0.133% | 84.47 | ||
1 位 |
eMAXIS Slim 国内債券 |
0.132% (※1) |
0.135% (※2) |
195.78 | ||
1 位 |
iFree 日本債権 |
0.132% (※3) |
0.137% | 44.48 | ||
1 位 |
Smart-i 国内債券 |
0.132% | 0.141% | 22.62 | ||
5 位 |
たわらノーロード 国内債券 |
0.154% | 0.155% | 230.67 | ||
6 位 |
三井住友 日本債券 |
0.176% | 0.179% | 740.31 | ||
7 位 |
iシェアーズ 国内債券 |
0.297% | 0.330% | 7.81 | ||
8 位 |
日本債券 インデックスe |
0.407% | 0.412% | 13.80 | ||
8 位 |
SMT 国内債券 |
0.407% | 0.413% | 275.92 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) 国内債券 |
0.44% | 0.442% | 22.26 | ||
10 位 |
eMAXIS 国内債券 |
0.44% | 0.443% | 90.19 | ||
※2023年6月2日時点。すべて「NOMURA-BPI総合」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。※1 純資産総額500億円未満の部分は0.154%、500億円以上1000億円未満の部分は0.1485%、1000億円以上の部分は0.143%(すべて税込)となる「受益者還元型信託報酬率」を採用しているため、記載時点の純資産総額を元に平均信託報酬を算出。※2 左欄に記載した平均信託報酬を元に算出。※3 新発10年国債の利回りが1%未満の場合。 |
日本債券インデックスファンドは、最近になって信託報酬を大きく引き下げた「<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド」「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」「iFree 日本債券インデックス」「Smart-i 国内債券インデックス」が並んでトップに。この4ファンドは、ここに来て5位以下のファンドを一歩引き離す形となった。
一方、実質コストは、僅差で「<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド」が最安となった。
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先進国債券
■先進国債券 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 先進国債券 |
0.1525% | 0.167% | 696.21 | ||
2 位 |
ニッセイ 外国債券 |
0.154% | 0.197% | 238.50 | ||
3 位 |
たわらノーロード 先進国債券 |
0.187% | 0.204% | 378.21 | ||
3 位 |
Smart-i 先進国債券 |
0.187% | 0.225% | 20.38 | ||
5 位 |
iFree 外国債券 |
0.198% | 0.217% | 71.39 | ||
6 位 |
三井住友・DC 外国債券 |
0.21% | 0.264% | 797.33 | ||
7 位 |
iシェアーズ 先進国債券 |
0.3575% | 0.432% | 6.59 | ||
8 位 |
外国債券 インデックスe |
0.55% | 0.568% | 28.31 | ||
8 位 |
SMT グローバル債券 |
0.55% | 0.582% | 277.97 | ||
10 位 |
野村(Funds-i) 外国債券 |
0.605% | 0.625% | 27.35 | ||
11 位 |
eMAXIS 先進国債券 |
0.66% | 0.675% | 137.27 | ||
※2023年6月2日時点。すべて「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 |
先進国債券インデックスファンドのトップは長らく「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」と「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド 」が横並びだったが、純資産総額が500億円以上1000億円未満の部分を信託報酬が0.1485%(税込、以下同)に引き下げる「受益者還元型信託報酬率」が効果を発揮し、実質的にわずかに信託報酬を引き下げた「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」が1位となった。
一方、実質コストも「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」が、他より頭ひとつ抜け出して単独でトップに立った。
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新興国債券
■新興国債券 インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
投信シリーズ名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
iFree 新興国債券 |
0.242% | 0.343% | 105.12 | ||
2 位 |
インデックスファンド 海外新興国債券 |
0.374% |
0.658% (※1) |
100.01 | ||
3 位 |
eMAXIS 新興国債券 |
0.66% | 0.752% | 50.31 | ||
3 位 |
SMT 新興国債券 |
0.66% | 0.757% | 96.22 | ||
3 位 |
野村(Funds-i) 新興国債券 |
0.66% | 0.782% | 10.15 | ||
※2023年6月2日時点。すべて「JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド(円換算ベース)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 |
新興国債券インデックスファンドは、そもそも数が少なく、現在比較しているシリーズの中では5銘柄しかない。その中で「iFree 新興国債券インデックス」が、信託報酬、実質コストともにダントツの低コストで、トップの座をキープしている。
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日本リート
■日本リート インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 国内リート |
0.187% | 0.191% | 128.51 | ||
1 位 |
Smart-i Jリート |
0.187% | 0.197% | 44.83 | ||
3 位 |
ニッセイ Jリート |
0.275% | 0.276% | 165.26 | ||
3 位 |
たわらノーロード 国内リート |
0.275% | 0.278% | 133.54 | ||
3 位 |
三井住友・DC 日本リート |
0.275% | 0.340% | 63.50 | ||
6 位 |
iFree J-REIT |
0.319% | 0.328% | 21.66 | ||
7 位 |
iシェアーズ 国内リート(※1) |
0.3685% | 0.468% | 11.99 | ||
8 位 |
野村(Funds-i) J-REIT |
0.44% | 0.445% | 83.71 | ||
8 位 |
eMAXIS 国内リート |
0.44% | 0.445% | 148.29 | ||
8 位 |
SMT J-REIT |
0.44% | 0.446% | 354.84 | ||
※2023年6月2日時点。注記のないものは、すべて「東証REIT指数」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 ※1「S&P J-REIT指数」に連動。 |
日本リート連動のインデックスファンドは、僅差の中、「eMAXIS Slim 国内リートインデックス」と「Smart-i Jリートインデックス」が頭ひとつ抜け出してトップ。実質コストは、わずかの差ながら「eMAXIS Slim 国内リートインデックス」が最安だ。
なお、ほとんどの銘柄は「東証REIT指数」に連動しているインデックスファンドだが、7位の「i-シェアーズ国内リートインデックス」だけが「S&P J-REIT指数」への連動を目指すタイプとなっている。
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先進国リート(一部、全世界リート)
■先進国リート インデックスファンド信託報酬ランキング | ||||||
順 位 |
ファンド名 (略称) |
信託報酬 (税込) |
実質コスト (税込) |
純資産総額 (億円) |
詳細 リンク |
|
1 位 |
eMAXIS Slim 先進国リート |
0.22% | 0.292% | 214.58 | ||
1 位 |
Smart-i 先進国リート |
0.22% | 0.363% | 38.07 | ||
番 外 |
ニッセイ グローバルリート(※1) |
0.297% | 0.358% | 114.83 | ||
3 位 |
たわらノーロード 先進国リート |
0.297% | 0.548% | 247.53 | ||
3 位 |
三井住友・DC 外国リート |
0.297% | 0.482% | 216.54 | ||
5 位 |
iFree 外国REIT |
0.341% | 0.449% | 22.89 | ||
6 位 |
iシェアーズ 先進国リート |
0.429% | 0.817% | 6.86 | ||
7 位 |
野村(Funds-i) 外国REIT |
0.55% | 0.656% | 50.55 | ||
7 位 |
SMT グローバルREIT |
0.55% | 0.660% | 296.39 | ||
9 位 |
eMAXIS 先進国リート |
0.60% | 0.720% | 143.25 | ||
※2023年6月2日時点。注記のないものは、すべて「S&P先進国REIT指数(除く日本)」に連動。実質コストは、直近の運用報告書のデータより計算。実質コストが入っていないものは、ファンド 設定から1年未満のため不明のもの。 ※1 先進国及び新興国市場に上場しているリートの広範な指数である「S&Pグローバルリートインデックス」に連動。 |
先進国リートインデックスファンドは、すべて「S&P先進国REIT指数(除く日本)」という指数に連動しており、その中で信託報酬の低いのが「eMAXIS Slim 先進国リートインデックス」と「Smart-i 先進国リートインデックス」の2銘柄。一方、実質コストでは「eMAXIS Slim 先進国リートインデックス」がトップとなった。
なお、「<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド」は、先進国に加え、新興国のリートも投資対象に含まれる「S&Pグローバルリートインデックス」連動型のインデックスファンド(全世界リート)のため番外とした。
たしかに、先進国リートと全世界リートでは資産クラスが異なるので一概に比較はできないが、「S&Pグローバルリートインデックス」の国別構成比を見ると90%以上が先進国となっている。そこの違いを気にしない人や、むしろ新興国リートにも幅広く投資したいという人は、「<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド」を選ぶのもアリだろう。
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低コスト・インデックスファンドの
取り扱い本数が多い証券会社
ここまで紹介してきた低コスト・インデックスファンドの取り扱い本数の多い証券会社を紹介しておこう。各インデックスファンドの販売会社を集計した結果、以下のように5大ネット証券がトップ5を占める結果となった。また、続くSMBC日興証券と岡三オンライン証券も、信託報酬ランキング上位のファンドの大半をカバーしている。これら7つの証券会社なら、ひとつの証券口座で満足のいくポートフォリオを組むことができるだろう。
■「低コスト・インデックスファンド」取り扱い本数ランキング(全118本中) | |||
順位 | 証券会社 | 取り扱い本数 | 公式サイト |
1位 | SBI証券 | 118本 | |
2位 | auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) | 115本 | |
3位 | 楽天証券 | 111本 | |
3位 | 松井証券 | 111本 | |
5位 | マネックス証券 | 108本 | |
6位 | SMBC日興証券 | 80本 | |
7位 | 岡三オンライン | 77本 | |
8位 | フィデリティ証券 | 46本 | |
9位 | 東海東京証券 | 38本 |
|
10位 | GMOクリック証券 | 32本 | |
※2023年6月5日時点。本記事で紹介しているインデックスファンドの販売会社を集計。 |
インデックスファンドは、基本的には頻繁に保有銘柄を変更するものではないので、単純に取り扱い本数が多い証券会社が良いという話ではない。自分の買いたいインデックスファンドをすべて販売している証券会社であれば、他のインデックスファンドを扱っている必要はないだろう。
ただ、上位7つの証券会社が、低コスト・インデックスファンドに力を入れているのは確かだ。そのため、今後、魅力的なインデックスファンドが新しく発売されたとき、いち早く販売会社に名を連ねる可能性は高い。今後長期的にインデックス投資を続けていくのであれば、上位5つの証券会社のどこかに口座開設しておけば間違いはないだろう。
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【解説】
投資信託における「実質コスト」の計算方法
最後に、比較表にも掲載している「実質コスト」について簡単に解説しておこう。ただ、ここを理解していなくてもインデックスファンドの比較はできるので、細かい計算が苦手な人は読み飛ばしてしまってもOKだ。
インデックスファンドを含むすべての投資信託は、継続的に発生する費用を「信託報酬」として計上しているが、実際に投資信託を運用すると売買委託手数料や有価証券取引税など、わずかだが信託報酬以外の「隠れた費用」が発生してくる。この実際にかかった「隠れた費用」も含めて計算されるのが「実質コスト」だ。
投資信託の「実質コスト」は以下の計算式で導き出される。
実質コスト=信託報酬率※×1万口当たりの費用の「合計」÷1万口当たりの「信託報酬」
※式中の「信託報酬率」が一般的に「信託報酬」と呼ばれているものにあたる
この式にある「1万口当たりの費用」や「1万口当たりの信託報酬」については、各投資信託の「交付運用報告書」や「運用報告書(全体版)」に記載されている。例えば、以下の画像は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の「交付運用報告書」に載っている「1万口当たりの費用明細」だ。

拡大画像表示
計算に使う「信託報酬」と「合計」については、理論上で言えば「金額」と「比率」のどちらを使ってもいいのだが、一般的に有効桁数が大きい「比率」のほうを使うのがいいだろう(上の例では「金額」の有効桁数は2ケタ、「比率」は3ケタ)。「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」で設定された信託報酬(信託報酬率)は0.1023%(税込)なので、実質コストは下のように計算できる。
実質コスト(税込)
=0.1023%×0.160%÷0.103%
=0.1589%
≒0.159%※
※有効桁数3ケタなので小数点第4位で四捨五入
なお、「実質コスト」は基本的に投資信託を1年間運用した際、実際に発生した費用をもとに計算されるので、年によって微妙に増えたり減ったりする。なので、現時点の数字の細かいところまで比較して「こっちのファンドのほうが実質コストが0.002%安い!」などと厳密に考えすぎないように気をつけよう。
また、設定されたばかりで運用期間が1年間に満たない投資信託の場合は、実質コストを計算することができない。本記事でも、運用期間が1年に満たないインデックスファンドは「実質コスト」が空欄になっている。
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以上、主な資産クラスにおける低コスト・インデックスファンドの信託報酬と実質コストを比較した。インデックスファンド選びでもっとも重要となる信託報酬などのコストを比較する際の参考にして欲しい。
現在は、2023年に入って相次いで信託報酬の引き下げを決めた「eMAXIS Slim」シリーズと「ニッセイ<購入・換金手数料なし>」シリーズ、「たわらノーロード」シリーズの3つと、ファンド・オブ・ファンズ形式ながら全世界株式や新興国株式で強みを見せる「SBIインデックス・ファンド」が熾烈なトップ争いを繰り広げている。
信託報酬の引き下げ競争が激しくなることは個人投資家にとってはメリットだ。しかし、競争が行き過ぎると、従来は信託報酬に含まれていた「指数の標章使用料」を別に分け、見た目上の信託報酬を引き下げた「Tracers」シリーズのような“わかりにくいファンド”が増えてしまう危険性はあるだろう。
今となっては、トップクラスの低コストインデックスファンドの信託報酬の差は非常に小さいので、そこににこだわりすぎてインデックス投資が始められないというのは本末転倒。まずは、自分なりに現時点でもっとも良いと思えるインデックスファンドを選び、投資を始めてみることが大切だろう。
【※つみてたNISA対応のインデックスファンドはこちら!】
⇒つみたてNISA(積立NISA)のインデックス型投信の中で、信託報酬の安い商品を厳選して紹介! 騰落率や取り扱いのある金融機関にも注目して商品を選ぼう!
【※バランスファンドの比較記事はこちら!】
⇒【2022年版】バランスファンドおすすめ比較! リスクや信託報酬などファンド選びのポイントから、おすすめ「低コスト・バランスファンド」まで解説!
【2023年6月1日時点】 |
||||
順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード (手数料無料) |
積立対応 | ||
1位 | ◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2639本 | 2639本 | 2451本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料で、投資信託本数の取扱本数はネット証券でトップクラス! スマホアプリ「かんたん積立 アプリ」を利用すれば、投資信託をスマホで管理可能だ。また、投資信託の月間平均保有額に応じてTポイントやPontaポイント、dポイントが貯まる「投信マイレージサービス」もお得。保有額が1000万円以上なら獲得ポイントが2倍になる(通常銘柄の場合)ので、投資信託が本格的に資産形成を考えている人には、かなりお得だ。買付&積立が100円以上1円単位に引き下げられ、初心者でも気軽に始めやすくなった。投信の買付には、TポイントやPontaポイントが利用できる。投信積立は三井住友カードによるクレジットカード決済「クレカ積立」がお得で、最大で決済額の0.5%ものポイントが貯まる。最近では、低コストなiDeCo(個人型確定拠出年金)にも力を入れており、無条件で運営管理手数料を無料にしている。 |
||||
2位 | ◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
2630本 | 2630本 | 2487本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 投資信託の保有残高が一定の金額を超えるごとに「楽天ポイント」が貯まるサービスもお得。また、投信積立の際に楽天カードを使うと0.2〜1%分、楽天キャッシュを使うと0.5%分の楽天ポイントが付与される。ポイントは投資信託の買付や投信積立の代金にも利用できる。投資信託の最新事情がわかる「楽天証券レポート&コラム」や、最大5銘柄の基準価額の推移を比較できる「投信スーパーサーチ」など、投資信託選びのサポートもバッチリ。2016年7月からは、ロボ・アドバイザーが銘柄選択や売買タイミングまで判断してくれる「楽ラップ」や、スマホ専用のロボ・アドバイザー「ロボのぶくん」を利用可能。さらに、2021年6月には、専用バランスファンドで手軽に積立投資ができるロボ・アドバイザー「らくらく投資」が登場した。 |
||||
3位 | ◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1695本 | 1695本 | 1680本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 2016年11月に投資信託の販売をスタートしてから、取り扱い本数が急速に増えており、現在はランキング3位まで上昇。他社に先駆けて投資信託の販売手数料無料を打ち出したのも高評価だ。さらに信託報酬のうち販売会社(松井証券)が受け取る分の上限を0.3%にして、上回る部分は現金またはポイントで還元する「投信毎月ポイント・現金還元サービス」を行っている。ポイント還元を選ぶと現金還元より10%増量される。投資信託ページは、人気の投信や好成績の投信がすぐにわかる各種ランキング装備、スマホでの見やすさ、直接発注など機能が充実。さらに、投資信託の組み合わせに頭を悩ませる人のために「投信工房」「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」という3つの高機能ロボアドバイザーを用意。無料のロボアドバイザーとしては、どれも非常に高い機能を備えている。 |
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順位 | 投資信託本数 ※1 | 最低積立金額 | ||
全体 | ノーロード | 積立対応 | ||
4位 | ◆auカブコム証券(旧:カブドットコム証券) ⇒詳細情報ページへ | |||
1645本 | 1645本 | 1619本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の販売手数料はすべて無料! 信託報酬控除前のトータルリターンが見られるので、実態に合った取引コストや運用パフォーマンスがわかるのも魅力だ。また「プレミアム積立」は100円から可能。au PAYカード決済による積立なら1%ポイント還元、投資について気軽に話し合えるSNS「ファンドスクエア」も魅力。積立の銘柄選びに役立つ「セレクション」は、ジャンルごとの代表的な銘柄が複数紹介されている。ファンド探しはランキングやファンド検索から。月間保有金額100万円で1ポイントがもらえる「毎月ポイント」は100ポイントで1万円の現金プレゼント。保有額が3000万円以上ならポイントが2倍になる。 |
||||
5位 | ◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |||
1354本 | 1354本 | 1302本 | 100円 | |
【特徴・メリット】 投資信託の購入時手数料はすべて無料! もちろん、NISA口座での取引や「投信つみたて」による購入も手数料0円だ。積立頻度は、一般的な「毎月」積立のほか「毎日」も選ぶことができる。ファンド探しに迷ったら、自分のライフプランに合ったファンド選びを手助けする「投信ポートフォリオ診断」を参考にするといいだろう。また、ポートフォリオの分析やリターン予測、アドバイスなどの機能がある「MONEX VISION」も便利だ。ロボアドバイザーサービスは、1000円から始められる投資一任型の「ON COMPASS」と、最低投資金額が5万円で国内ETFで運用を行うアドバイス型の「Monex Advisor」が利用可能。なお、投資信託の保有金額の最大0.08%分(年率)のマネックスポイントがもらえるのもお得! さらに、マネックスカードを使えば投信積立のポイント還元率が1.1%になる。 |
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。※1 投資信託本数は、各証券会社の投資信託サーチ機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合があります。 |