ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
岸博幸のクリエイティブ国富論

参院選で投票する際の判断基準を考える

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第96回】 2010年7月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 いよいよ明後日(11日)は参院選の投票日です。しかし、メディアでの党首討論は低調でしたし、報道も消費税増税ばかりですので、これでは私たち国民の側からしたら、どの候補者、政党に投票すべきかが判断しにくいように思えます。そこで、今週は投票先を決めるための判断基準はどうあるべきかについて考えてみたいと思います。

消費税増税が争点ではない

 メディアでは、参院選の関連では消費税増税の問題が日々報道されていますが、それが参院選での最大の争点なのでしょうか。私はそのようなことは全然ないと思います。

 そもそも、このコーナーでこれまでも説明したように、“まず消費税増税”、“とにかく消費税増税”という主張は政策論的に明らかに間違っています。財政の状況を考えたら確かに消費税増税は必要ですが、政策の順番としては最優先ではありません。まずデフレ克服と政府の無駄遣いの一掃(公務員給与の削減など)を行い、その後に消費税増税に踏み切るべきです。

 そう考えると、与党も最大野党も消費税増税を主張していますし、かつ主張している内容が明らかに間違っていますので、それが最大争点では投票先を決めるのが難しくなってしまいます。

 それでは、私たち国民が参院選での投票先を決める際、何を政党間での最大の争点と考えるべきでしょうか。日本が直面している政策課題としては、財政再建、成長戦略、社会保障、日米安全保障など様々な問題がありますが、私は個人的に、一人一人の有権者が二つの基準から投票先を考えるべきではないかと思っています。

 第一に、消費税増税ばかりを日々大きく報道するメディアに惑わされることなく、個々の国民が、自分の関心のあるテーマについての各党の主張を比較して投票先を決めるべきです。

 第二に、それよりも重要な点として、今回の参院選は昨年9月の政権交代以来の各党の実績の評価・審判の場となるべきと思います。民主党は与党として正しい政権運営と政策実現を行なってきたか、自民党は野党らしく政権の問題点の追求や対案の提示を行ってきたか、他の野党も野党として存在意義を発揮してきたか。こうした点を有権者一人一人がしっかり評価するのが、今回の参院選の最大の意義ではないでしょうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


岸博幸のクリエイティブ国富論

メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

「岸博幸のクリエイティブ国富論」

⇒バックナンバー一覧