裏金に闇バイトの強盗、そして「フジテレビ問題」…問題だらけの現代は、大河ドラマ『べらぼう』の舞台である江戸時代と酷似しています。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
政治で裏金を巻くのは、あまりにも野暮
歴史は繰り返すといいますが、今の時代、過去のどの時代と酷似しているのかご存じでしょうか?大河ドラマ『べらぼう』の舞台となる江戸年間、今の日本社会と奇妙に符合する出来事が重なっていたのです。
時はまさに裏金政治のまっさかり。吉原の歓楽街に生まれ巨大なメディアを立ち上げたのがドラマの主人公の蔦重こと、蔦屋重三郎です。
ドラマはまだこの段階ですが、やがてドラマの終盤の時代ともなると政府の財政は行き詰まり、町には凶悪な強盗が跋扈(ばっこ)します。そして江戸の町の寵児だった巨大なメディアも最後は終わりを迎えます。
この記事、一見、現実を風刺しているように感じる箇所があるかもしれませんが、あくまでべらぼうな戯言としてお読みいただければと思います。
さて、政治というものはあくまで合法な形で補助金をばらまくことで票を集めるのが仕事です。裏金をばらまいたりするのは野暮というものです。
自民党にはクリーンに生まれ変わってほしいものですが、歴史をさかのぼると江戸中期、時の老中・田沼意次は裏金大好きで、賄賂を払う者に便宜をはかるなど後ろめたい政治を続けていました。
この時代、庶民の娯楽となるメディアといえば出版物です。蔦重は今風に言えばドラマ、アイドル、バラエティ、当時でいえば物語、美人画、役者絵といった江戸で一番人気を得るコンテンツをつぎつぎと発売し、時代の寵児となります。
経済がうまくまわっていたうちはまだ良い時代だったのですが、降り悪く、天明年間には気候変動が世情を直撃します。天明の飢饉です。