中居氏と女性とのトラブルで
最もあり得ない対応をとる関係者
タレントの中居正広氏と女性とのトラブルが週刊誌で報じられ、中居氏自身が事実関係を認めるコメントを発表し、大きな話題となっています。何が起こったかについて、「被害」の内容は詳しく報じられていません。
被害女性と中居氏は9000万円の解決金で示談交渉を行い、守秘義務を約束しており、またそれを蒸し返すのはセカンドレイプにもあたるという側面があるからです。
しかし、私はそれ以上に、この事件との関係性が報じられているフジテレビの対応があり得ないことを、もっと声を大にして糾弾すべきだと考えます。
まず、事実関係を整理すると、今回の事件報道をリードしている『週刊文春』は、記事中でこの女性を「芸能関係者」としています。一方、他の一部メディアによると、この女性は事件当時、フジテレビに所属していたと報道されています。
これらを考え合わせると、文春は現在被害女性がフジテレビ社員ではなく、おそらくはフリーで活動する立場にあるため、あえて「芸能関係者」という呼び方をしていると考えられます。目下、この女性に関するフジテレビ側からの一般に向けた詳しい情報提供はありません。
こうした状況に鑑み、本稿では、被害女性が事件当時、フジテレビに在籍していたという前提で話を進めることを、お断りしておきます。そうした前提で考えると、足もとのフジテレビの対応にいかに問題があるかが、よくわかります。
文春での証言によれば、被害女性は同局の編成幹部から食事会に誘われたものの、当日彼を含む参加者全員がドタキャン、中居氏と密室で2人きりになった際に性的トラブルが起こったといいます。これは彼女が、業務の一環としてその場に訪れたと判断すべきです。
しかし文春によると、彼女は後日、「被害」を局の幹部に相談したものの、彼らは何も行動を起こしませんでした。それまでに他の関係者(複数の報道では、かなり特定されています)も幾度か中居氏との飲み会などをセットされ、出席していたとされることを考えれば、局側が中居氏の行動を知らなかったはずはありません。
また、女性から相談があった時点で、フジテレビはまず中居氏に対して事情聴取すべきだったのに、それもしませんでした。
事件が起こったのは2023年6月。その後、『まつもtoなかい』など、フジテレビの主要出演者である松本人志氏の不同意性交があれほど報道され、番組で是非が論じられていたにもかかわらず、今回の「被害」の調査もせず、ずっと中居氏を番組に出演させていたのは、無責任としか言いようがありません。