飲み物と男性写真はイメージです Photo:PIXTA

糖質制限を心がけ、炭水化物を減らしているのに血糖値が下がらないという人もいるだろう。そこには果物の摂取に原因があるのかもしれない。糖尿病になったら避けるべき食べ物やおすすめの飲み物を専門医が詳しく解説する。本稿は、矢野宏行(Dr.ゆきなり)『自分でできる!薬に頼らない糖尿病の大正解』(ライフサイエンス出版)の一部を抜粋・編集したものです。

糖尿病で注意したい食べ物は
炭水化物よりも果物

Q「糖尿病に悪い食べ物はありますか?」

A「果物に含まれる果糖は脂肪肝などの原因になります。食べる際は1日80kcalを目安に糖質が低い果物を選ぶとよいでしょう。なお、朝食として食べるシリアル類や菓子パン、パンケーキなども注意が必要です」

 糖質制限に力を入れて炭水化物を減らしているのに、血糖値が下がらないという患者さんの話を聞いていると、日頃当たり前に食べている意外な食べ物が原因となって血糖値を上げていることがあります。そこで、私がクリニックで患者さんを診てきた中でとくに注意したい食べ物について紹介したいと思います。

 まず、糖尿病でとくに注意してほしいのが果物です。巷では「果物はビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれているので積極的に食べましょう」と言っているのを聞いたことがあるかもしれません。しかし、果物には果糖が含まれています。果糖は直接血糖値を上げないものの、中性脂肪を増やしたり、脂肪肝の原因になったりするので注意が必要です。では糖尿病になると果物をまったく食べてはいけないのでしょうか?

 果糖と糖尿病の関連性を調べた研究を見ると、果糖の過剰摂取は糖尿病のリスクを高める、適度に摂取するのであれば、糖尿病のリスクを下げるなど見解が分かれています。例えば、リンゴ半分(140g)、もも1玉(200g)、みかん2個(90g)などが目安となります。

 とはいえ、一口に果物と言っても、含まれている糖質量は異なります(表18)。

表18:果物の100g当たりの糖質同書より転載 拡大画像表示