スポンサー離れが起きているフジテレビは今後、業績悪化で潰れてしまうのだろうか。閉鎖的な企業姿勢を露呈するに至った経営体制は、今どうなっているのか。決算資料を中心にひも解きながらポイントを解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)
フジテレビ社長会見が引き金
CM差し止めが50社超の前代未聞
「フジテレビが潰れます」――漫才コンビ・爆笑問題が放った冗談が、現実味を帯びてきていると言ったら大げさだろうか。元日のフジテレビの生放送、今年で58回目を迎えたお笑い番組に対して、「とにかく長く続けてほしい。ただね、その前にフジテレビが潰れます」とボケると、「やめろ、いまシャレになんないんだから」と火に油を注ぐかのようなツッコミ。「今年が正念場」「どうなってんの?フジテレビ。おい、日枝(フジ・メディアグループの最高権力者、詳細は後述)出てこい!」などとキレのあるボケを連発していた。
タレントの中居正広さんと女性とのトラブルに関するフジテレビの対応を受けて、トヨタ自動車をはじめとするスポンサーがフジテレビへのCMを差し止める動きが相次いでいる。フジテレビに重大なコンプライアンス違反があったのではないかという疑惑について1月17日、同社の港浩一社長が緊急会見を行った。
その内容は、第三者による調査委員会を立ち上げ事実を検証すると発表したものの、質問に対しては30回超も「回答を控える」といった発言を繰り返すのみ。また、会見自体が非常に閉鎖的で、参加できたのは基本、記者クラブに属していたメディアだけ。報道の公益性・公平性が欠落した会見だった。
こうしたフジテレビの企業姿勢に、消費者からは批判や怒りの声が相次いでいる。一連の騒動を受けて、トヨタや日本生命、NTT東日本、セブン&アイ・ホールディングス、サントリー、花王など21日朝時点で50社超の企業が当面の間、フジテレビへのCMを差し止めたと報じられている。テレビのチャンネルを8に合わせると、公益財団法人ACジャパンのCMばかりが流れる異様な光景だ。
雪崩のようにスポンサー離れが起きているフジテレビは今後、業績悪化で潰れてしまうのだろうか。閉鎖的な企業姿勢を露呈するに至った経営体制は、今どうなっているのか。決算資料を中心にひも解きながらポイントを解説する。