通常国会の召集が1月24日に迫る。会期は150日間。延長がなければ会期末は6月22日。会期末と重なるように東京都議選、さらに7月20日投開票が想定される参院選が控えている。しかし、首相の石破茂が置かれた少数与党という厳しい状況を考えると、会期末までに何が起きても不思議はない。石破自身も記者団に率直な思いを語った。
「野党の賛成を得なければ法律案も予算案も通すことができない。誠心誠意説明してまいりたい」
昨年末の臨時国会を振り返れば国会乗り切りが生易しくないことは明らか。補正予算の成立に当たって立憲民主党、日本維新の会、国民民主党という主要野党3党それぞれの要請を個別に受け入れた。野党の要求を“丸のみ”で何とか乗り切ったのが現実だ。そこで石破が年末に繰り出したのが、“強行突破路線”と言っていい。まず口にしたのが衆参同日選。石破は予算案や重要法案が否決された場合を指摘した上でこう語った。
「(衆参の選挙を)同時にやってはいけないという決まりはない」(12月28日の読売テレビ番組)
少数与党に転落した後の衆院の委員長人事で、自民党は衆院予算委員長を立民の安住淳に譲る一方、衆院議運委員長人事は死守した。衆院議長と議運委員長ポストさえ握っていれば、いつでも石破は解散権を行使できるからだ。
1986年、首相だった中曽根康弘が断行した「死んだふり解散」は衆院本会議を開かずに解散権を行使して衆参同日選に持ち込んだ。解散権を行使する局面になった場合に備え、議運委員長ポストにこだわったことは間違いない。