孫正義が「つまらんなぁ」と感じる“絶対に仕事ができない人”の特徴Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

天才的な経営手腕で、ソフトバンクグループを一代にして大企業に育て上げた孫正義氏。側近や社員らは「つまらないヤツ」と思われないように、必死に食らいついたという。そんな孫氏が会議で大事にしたこととは?(イトモス研究所所長 小倉健一)

サンダル姿で現れた孫正義

 ソフトバンクを創業した孫正義氏は、日本を代表する実業家であり、投資家だ。インターネットの黎明期からその重要性に気づき、今では通信、AI、IoT、ロボティクスなどの最先端技術にまで事業を広げている。

 1995年に「米ヤフー」へと投資し、1996年に国内初の商用検索サイト「Yahoo! JAPAN」を開始した。1999年にジャック・マーが創業した「アリババ」に対し、2000年には巨額の投資を決断。

 2006年にボーダフォンを買収、2017年にソフトバンク・ビジョンファンドを設立した。こうした巨額の投資を続ける中で、孫正義氏はソフトバンクを世界的な企業へと成長させたのだった。

 筆者が、孫正義氏にインタビューしたのは、2011年(PRESIDENT、2011年3月7日号)だった。

 その時点で、メディアの個別取材にはあまり応じてもらえなくなってしまっていたのだが、粘り強い交渉(一方的に企画書を送り続けた)の結果、脳科学者の茂木健一郎氏に孫氏が人としての興味を持っているということを知り、茂木氏にお願いをして一緒にソフトバンクの本社(当時は汐留)へと向かったのだった。

 孫氏は、ユニクロっぽい服を着て、ビジネスサンダル(一見、ビジネスシューズに見えなくもない黒いサンダル)で現れた。本当にファッションに興味がないんだなと驚いたものだった。インタビューでは、ソフトバンク社内での会議についての話になった。そこで孫氏はこんな話をしてくれた。