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岸博幸のクリエイティブ国富論

日本も捨てたものじゃない!
参院選で示された国民の良識と
総合格闘技に見る若者の可能性

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第97回】 2010年7月16日
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 意味不明なタイトルで申し訳ありません。しかし、先週末(7月10、11日)に開催されたこの二つのイベントから、日本の将来への明るい希望が見えた気がしたのです。今週は、その自分勝手な思いを説明したいと思います。

参院選の結果は国民の良識ある投票行動の結果

 7月11日の参院選は、民主党の大敗という結果に終わりました。この結果はどう評価すべきでしょうか。新聞報道では、消費税増税への国民の反発が敗因と言われ、また日経新聞を中心に、財政再建や消費税増税の取り組みの遅れや、さらには参議院で与党が過半数を持たないことによる政策の停滞が懸念されていますが、実際のところはどうなのでしょうか。

 私は、昨年9月の衆院選と同様、今回の参院選でも国民の良識が発揮されたと思います。良識ある投票行動の結果が民主党の大敗なのです。

 まず、民主党の敗因は消費税増税だけではありません。過去10ヶ月の政権運営の実績の評価という面が大きいと考えるべきです。

 民主党は29ある1人区で8勝21敗と大きく負け越しました。1人区の大半は、特に景気が低迷を続け雇用情勢も悪化している地方です。地元経済を何とかしてほしくて政権交代を支持した(3年前の参院選では民主党は23勝6敗でした)のに、何も変わらないと国民が感じたからこそ、民主党に厳しい結果となったのではないでしょうか。

 民主党と同様に消費税増税を主張した自民党は1人区で大勝していることを考えると、民主党の1人区大敗の原因は消費税増税だけではないのです。

 次に、今回の参院選では自民党が勝ったとも言えません。確かに自民党の議席数は大幅に増えましたが、比例得票数は民主党にはるか及ばなかったからです(民主党は1845万票、自民党は1407万票)。

 これらの事実から、国民は今回の参院選で民主党にも自民党にも勝たせなかったと考えるべきです。それは、民主党の過去10ヶ月の政権運営に失格点を付けたと同時に、消費税増税の必要性は理解しつつも、性急な増税議論を拒否したからではないでしょうか。だからこそ、みんなの党が躍進したのです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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