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社長!事件です イザという時に思考停止しないための「危機管理」鉄則集

事実誤認か、それとも「偽装」か
次々と変わる爆発事故の真実
噂される「裏組織」の存在が明るみに!

小川真人 [ACEコンサルティング株式会社 代表],白井邦芳 [ACEコンサルティング株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー]
【第6回】 2010年8月4日
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災害はいつでも突然、企業を襲う

 今年の夏はこれまでとは比べものにならないほど暑い。照りつける日差しに手をかざしても、一向に暑さはその力を弱めることはない。お盆休みで連続1週間の休みに入っていた。4日目となるとやることがない。リクライニングチェアに深く身体を沈めてうとうとしていた。そのとき突然、地方都市の工場に勤める従業員から、携帯に1本の連絡が入る。思わず緊張が走り、身体がこわばった。

 工場が爆発炎上しているという。すでに爆発してから1時間が経過しているが、未だ燃焼力が強く、消防は現在も必死の消火活動を続けている。いつまた爆発するか予断を許さない状況と伝えてきた。電話を切るなりテレビのスイッチを入れた。

 モニター画面に絵が映し出された瞬間、モクモクと黒煙を上げる見慣れた建物が目に飛び込んできた。報道各局のヘリコプターが、凄まじい勢いで燃え盛る炎や、時折唸りを発する爆発をつぶさに映像に落としている。「大変なことになってしまった!」リスク管理担当役員のSはつぶやいた。

過熱する報道、真実はどこに?

 一般的に「消防法」等に記載される「危険物」を扱っている企業は多い。「危険物」が設置された当初は、取り扱いの基準を整備し、保管についても慎重さを欠いたことはないだろう。当然、従業員も注意・喚起は怠らなかったはずだ。C社もそんな「危険物」を扱っている化学製品製造業を生業(なりわい)とする企業の一つである。

 例年にも増して暑い真夏のある日、事故は突然発生した。なぜ爆発が起きたのか。事故発生から2日目、消火活動がほぼ終了し、消防・警察による現場検証が行われている中、マスコミや世間の関心は、そこへ移りつつあった。公的機関の検証は、これから本格化しようとしている段階にもかかわらず、民放各局は外部専門家を交えて、色々な火災発生原因の可能性を指摘し始めている。C社は現場工場の防火管理者を本社に呼んだ。

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小川真人(おがわまひと) [ACEコンサルティング株式会社 代表]

公認会計士、公認不正検査士、日本法科学技術学会正会員。慶応義塾大学商学部卒業後、1986年、ピートマーウィックミッチェル会計士事務所(現在のKPMGあずさ監査法人)に入所し、会計監査・リスクマネージメント業務に幅広く従事。2003年より2008年まで、(株)KPMG FASにて日本における不正調査サービスの責任者(パートナー)として、不正会計調査、経営者不正調査、従業員不正調査、個人情報流出事件調査など、多様な不正調査やリスクマネージメント業務を提供。2008年4月より、ACEコンサルティングを設立して独立。

白井邦芳(しらい くによし) [ACEコンサルティング株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー]

AIU保険会社及びAIGグループ在籍時に数度の米国研修・滞在を経て、企業の危機・不祥事・再生に関するコンサルティングに多数関わる。2350事例にのぼる着手案件数は業界屈指。2009年から現職。リスクマネジメント協会評議員、日本法科学技術学会正会員、経営戦略研究所外部専門委員、著書に「ケーススタディ 企業の危機管理コンサルティング」(中央経済社)等がある。


社長!事件です イザという時に思考停止しないための「危機管理」鉄則集

海外で発生するテロや暴動そして天災、果ては脅迫から社内の権力闘争の暴露まで。現代の企業はまさにリスク取り囲まれて活動している。ことは生命にかかわることが多いにもかかわらず、依然として、日本企業はこの種のリスクには鈍感。イザというときに、じたばたしないためには、準備こそがすべて。具体的な事例を基に危機管理の鉄則を公開する。

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