
採用プロセスにおける事例やノウハウに関する情報が手に入りやすくなり、就職・転職活動をハックしようとする人が増えました。しかし、採用の面接・試験をなんとか突破したいという思いが強すぎて、就職・転職活動において「本当に大事なこと」から目を逸らしてしまうと、入社後に退職を促されるといった悲惨な結果を招くことにつながります。たとえ、運良く入社が叶ったとしても同様です。そうなる前に(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
採用の「正解パターン」に
自分を当てはめる転職希望者たち
昨今の転職・採用ブームに沸く、コンサルティングファームをはじめとした人気の高い業界、企業は応募者の採用倍率が高く、競争は激化します。それに呼応して、転職希望者向けの面接や試験の傾向と対策に関する情報が出回るようになりました。
とくにコンサルティングファームでは、フェルミ推定やケース面接など特徴的な内容があるため、過去の事例や模擬ケースが研究されています。ウェブで検索すると、関連書籍やYouTube動画などが多数制作されていることがわかります。
例えば、日本全国にある電柱の数をフェルミ推定させたり、あるラーメン屋の売上を伸ばす施策を考えさせたり(ケース面接)します。聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
また、一部の紹介会社でも、内定獲得数を増やすために採用面接における表面的なテクニックを教えるところもあるようです。
このように、ライバルが準備している以上、対策を一切せずに挑むわけにはいきません。事前に準備やトレーニングをしておくことは当然の対応と言えます。