早死にしたくない人が、バターの代わりに使っているもの【22万人を33年間追跡調査】
バターを植物油に置き換えると
死亡リスクは低下する
バターがあれば何でもおいしくなる、というのは料理人の格言だが、バターは健康には良くないことが新たな研究で示された。バターの摂取量が多い人は少ない人に比べて早期死亡リスクが高いが、オリーブ油のような植物性の油を主に使っている人は早期死亡リスクが低いことが明らかになったという。
米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のYu Zhang氏らによるこの研究結果は、「JAMA Internal Medicine」に3月6日掲載されると同時に、米国心臓協会(AHA)の生活習慣科学セッション(EPI/Lifestyle Scientific Sessions 2025、3月6~9日、米ニューオーリンズ)でも発表された。
この研究は、医療従事者を対象とした3つの長期研究で30年以上にわたって追跡調査された、22万1054人の参加者の食事や健康状態に関するデータに基づいたものだ。参加者の中に、研究参加時にがん、心血管疾患(CVD)、糖尿病、神経変性疾患を有する人はいなかった。
これらの研究では、4年ごとに食事内容に関する調査が実施されていた。調査では、バターの総摂取量として、バターとマーガリンをブレンドしたもの、バタースプレッド、家庭でのパン作りや揚げ物、炒め物などの料理に使われるバターの摂取量も調査された。植物油の摂取量は、揚げ物や炒め物、ソテー、パン作り、サラダのドレッシングに使った量に基づき推定された。
33年間の追跡期間中に5万932人が死亡していた。死因は主に、がん(1万2241人)とCVD(1万1240人)だった。バターまたは植物油の摂取量に応じて、参加者をそれぞれ4群に分類して解析した結果、バターの摂取量が最も多い群では、最も少ない群と比べて死亡リスクが15%高いことが示された(ハザード比1.15、95%信頼区間1.08〜1.22、P for trend<0.001)。