ロスジェネ→下流中年→老害…痛めつけられてきた50代が『アンパンマン』に勇気をもらえる理由写真はイメージです Photo:PIXTA

「就職氷河期世代」「ロスジェネ」「第二次ベビーブーマー」など、さまざまな呼び名がある現在の50代。不遇の時代を過ごした彼らは、新たな一歩を踏み出す勇気が持てないでいるという。そんな50代が輝くために必要なヒントについて、労働社会学者の常見陽平氏が解説する。※本稿は、常見陽平『50代上等!理不尽なことは「週刊少年ジャンプ」から学んだ』(平凡社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

老害、若害、ソフト老害…
広がる年齢ハラスメント

「老害」という言葉を使うのをやめましょう。もっと踏み込んでいうと、年長者を悪者扱いするのはやめましょう。

 2024年に流行った言葉の1つに、「ソフト老害」というものがあります。「ソフト老害」は、20代後半~40代という年齢的には決して老いていない層が職場で老害化している現象を指します。「ソフト老害」が生まれるのは世代間ギャップのスパンが短く、細かくなっているからです。

 若い人ほど、多様なコミュニケーション手段を使いこなしますし、ハラスメントをはじめ、コンプライアンスについて、高い問題意識を持っています。

 それに対して、従来は「老害」とされなかったはずの年齢層の人が、今の常識を十分にアップデートできていないがゆえに「老害」と言われてしまっているわけです。これは年齢にとらわれず、能力次第で管理職に登用する人事制度が広がりつつあることの弊害でもあります。

 ですから、若くして出世してしまった人が、本当は「老害」の世代ではないのに、老害化することもあります。