会社に「休みの連絡」を入れるとき、感じのいい人は何と伝える?
それを語るのは、「感じのいい人」に生まれ変われるとっておきのコツを紹介する書籍『気づかいの壁』の著者・川原礼子さんです。職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか? この連載では、「顧客ロイヤルティ」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきたノウハウを、さらにわかりやすくお伝えします。本稿では、本書には入りきらなかった「気づかいのコツ」について紹介しましょう。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

会社に「休みの連絡」を入れるとき、感じのいい人は何と伝える?Photo: Adobe Stock

「休みます」だけでは不安?

 急に体調を崩し、会社を休まざるを得ないとき、どのように連絡を入れていますか?

「体調不良で休みます」と伝えるだけでは、相手に不安や迷惑をかけてしまうこともあります。

 今回は、感じのいい人が実践している欠勤連絡のポイントをご紹介します。
 やむを得ない状況でも、受け手に安心感と信頼を与える方法です。

 欠勤連絡で大切なのは、早めに、簡潔に、相手が安心できるよう伝えることです。
 以下のようなポイントを押さえると、好印象を与えられます。

・連絡のタイミング
 出社時間の直前ではなく、できるだけ早めに連絡を入れましょう
 たとえば、朝起きた時点で体調が悪いと感じたら、すぐに上司やチームに電話やチャットなど、決められた方法で連絡します。
 早めの連絡は、相手がその日のスケジュールを調整しやすくするだけでなく、誠実な印象を与えます。

・内容は簡潔でわかりやすく
 たとえば、「昨夜から発熱があり、今朝もまだ38℃の熱があります」と状況を少し具体的にすることで、信頼感が高まります。

・業務への影響について伝える
「急ぎの業務は特にありませんので、ご安心ください」といった言葉があるだけで、相手の負担感が軽減されます。
 もし重要な業務がある場合は、「進行中の○○については、△△さんにお願いできますでしょうか」と代替案を示すと、さらに配慮が伝わります。

・感謝の気持ちを伝える
「突然のことでご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします」といった一言を添えることで、相手に柔らかな印象を与えられます。
 休むことで負担をかけることを認識している姿勢を示すと、信頼感が高まります。

 感じのいい欠勤連絡とは、相手が安心し、次の行動を取りやすくなるよう配慮することです
 早めに連絡をし、簡潔かつ具体的に状況を伝え、相手の不安を軽減するための一言を添える。

 それに、感謝の気持ちを加えれば、休むことが必要な状況でも、信頼を損なうことはありません
 急な体調不良で休むときこそ、こうした気遣いを活かしてみてください。
 それだけで、あなたの印象はぐっと良くなるはずです。

(本記事は、『気づかいの壁』の著者・川原礼子氏が書き下ろしたものです。)

川原礼子(かわはら・れいこ)
株式会社シーストーリーズ 代表取締役
元・株式会社リクルートCS推進室教育チームリーダー
高校卒業後、カリフォルニア州College of Marinに留学。その後、米国で永住権を取得し、カリフォルニア州バークレー・コンコードで寿司店の女将を8年経験。
2005年、株式会社リクルート入社。CS推進室でクレーム対応を中心に電話・メール対応、責任者対応を経験後、教育チームリーダーを歴任。年間100回を超える社員研修および取引先向けの研修・セミナー登壇を経験後独立。株式会社シーストーリーズ(C-Stories)を設立し、クチコミとご紹介だけで情報サービス会社・旅行会社などと年間契約を結ぶほか、食品会社・教育サービス会社・IT企業・旅館など、多業種にわたるリピーター企業を中心に“関係性構築”を目的とした顧客コミュニケーション指導およびリーダー・社内トレーナーの育成に従事。コンサルタント・講師として活動中。『気づかいの壁』(ダイヤモンド社)が初の著書となる。