F1・日本グランプリが今週末に行われるが(8~10日・鈴鹿サーキット)、その2週間後に予定されている韓国グランプリの開催が危ぶまれている。

 今年7月に竣工予定だった韓国インターナショナルサーキットが、地盤の問題や悪天候の影響などで、まだ完成していないのだ。

 F1を主催する国際自動車連盟(FIA)の規定によれば、レースの60日前には路面に関するすべての作業を終えていなければならない。ところが9月末時点ででき上がっているのは基層の一次舗装だけで、表面の舗装は今週行うという。それが終了し、FIAの最終検査が行われるのが11日。開幕のわずか10日ほど前だ。こんな状態で世界最高峰の自動車レースF1が開催できるのか、事故は起きないのかと関係者から疑問の声が上がっているのである。

 とはいえ韓国としては初めてのF1開催。国の威信をかけた突貫工事をし、なんとかレースを行えるようにするだろう。だが、スタンドも未完成。加えてサーキットがある全羅南道霊岩郡はソウルから300km以上も離れた交通不便な場所にもかかわらず、アクセスや宿泊施設などのインフラ整備も後手にまわっているらしい。レースを行えたとしても、観客はまばらな寂しいグランプリになりかねないのだ。

主催・運営サイド、自動車メーカーの
思惑が一致しF1のアジア開催が増加

 F1は最近、アジアでの開催が多くなっている。アジアで最初にF1を開催したのは日本だ。1976年に富士スピードウェイで行われた。翌年も富士で開催され、11年間のブランクの後、87年から鈴鹿サーキットに舞台を移して毎年行われている(07・08年は富士)。日本のF1の歴史は35年におよび、日本グランプリは今年で26回目の開催になる。

 続いてアジアでF1を招致したのがマレーシアで99年から。04年にはバーレーン、中国、08年にはシンガポール、09年にはアラブ首長国連邦で開催されるようになり、今年から韓国グランプリがF1カレンダーに加わった。今季は19戦が行われる予定になっているが、そのうち7戦がアジアでの開催だ。また来年からはインドでもF1が行われることになっている。