私たちは、「将来」や「老後」のことを第一に考え、「いま」やりたいことを我慢して必死に仕事を頑張ったり、お金をひたすら節約したりしがちだ。意識が「いま」に向いていないため、自分が生きている毎日を心から楽しめていない人も少なくないだろう。
そんな中、限られた時間を有効活用し、「いま」を最大限楽しむメソッドを伝授する『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』が好評だ。読者からは、「正しい生き方を教えてくれる本」「本当に大切なものを再認識できた」という声が続々と寄せられている。本稿では、節約・投資系YouTuberとして活躍中のふゆこさんに、本書の魅力について語っていただいた。(構成/ダイヤモンド社コンテンツビジネス部)

人生で後悔することランキング第2位は「働きすぎなければよかった」。では、誰もが納得の「第1位」は?Photo:Adobe Stock

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人生で後悔すること「第1位」は?

――本書の中で、特に印象に残った言葉はありますか?

ふゆこ たくさんあるので、絞ってお伝えするのが難しいですね(笑)。たとえば、「節約ばかりしていると、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。人生は経験の合計だからだ」(P.32)です。

 この言葉は本当に衝撃的でした。本書を読んだ当時、私は会社に嫌々行きながら節約に没頭しているだけの人間だったので、「節約ばかりしていると人生が貧しくなる」というメッセージにハッとさせられました。「人生で大事なことは何か」を深く考えるきっかけになった言葉ですね。

 あとは、人が死ぬ前に後悔することの第1位として、「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」(P.194)という自責の念が挙げられていたのが、個人的にインパクトが一番大きかったです。

 これはつまり、自分の本音に耳を傾けず、まわりに流されたり、他人が望むような人生を送ったりすることが、人生最大の後悔になるということです。

 私は「自分にはできないかも」とか「失敗したら恥ずかしい」という思いが先立って、チャレンジするのをためらうタイプでした。しかし、この箇所を読んで、「取り返しのつかない後悔をするぐらいなら、やりたいことにいますぐ挑戦しよう」という意欲が湧き立ちました。

 ちなみに、人が死ぬ前に後悔することの第2位は「働きすぎなければよかった」(P.194)だそうです。これも非常に示唆的なデータですね。

「自分のやりたいこと」が次々と湧き出るようになった

――そして、勤めていた会社をやめて、YouTuberになるという決断をなさったわけですね。

人生で後悔することランキング第2位は「働きすぎなければよかった」。では、誰もが納得の「第1位」は?節約オタクふゆこ
節約・投資系YouTuber。1993年生まれ。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけで、お金について学ぶ。その後、奨学金を返済しながら1カ月10万円で生活し、年間300万円、20代で1000万円の貯金に成功する。現在は、脱サラしてフリーランスとして活躍中。自身で運営するYouTubeチャンネル「節約オタクふゆこ」は、日常的な節約法にとどまらず、投資についての動画も初心者・中級者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は59万人を超える(2024年12月時点)。

ふゆこ その通りです。本書の主張からは様々な影響を受けましたが、自分の生きたい人生を生きるように促し、「会社をやめる」という決心を後押ししてくれたことに、本当に感謝しています。

 副業でやっていた頃のYouTubeは、月々の利益が10万円程度で、専業とするにはやや厳しかったんです。でも、会社員生活を嫌々続けるよりは、YouTuber一本で頑張った方が「自分らしい人生」を実現できると考え、チャレンジに踏み切りました。

 結果として、いまの私は「自分が本当にやりたい仕事」だけでほぼ食べていけているので、チャレンジして大正解でした。

 もちろん、「偶然成功しただけではないか」「チャレンジすることのリスクを無視すべきではない」という指摘もあると思います。しかし、もしYouTuber活動だけで生活ができなければ、転職活動をすればいいだけの話です。

 本書のおかげで、自分のやりたいことを軸に、よりたくましく生きることができていますし、キャンプやパラグライダーなど「新しくやってみたいこと」も次々と湧いて出てくるようになりました。これは、現在の生活が充実している証だと思います。

「人生の豊かさ」こそ、人間が真に求めているもの

ふゆこ 普通のマネー本は、節約術や投資のメソッド、選ぶべき株の銘柄など「お金を増やすためのテクニック」を解説しています。もちろん、そうした本もニーズがあると思いますが、人々が本当に知りたいのは、お金を増やしたその先の「人生の豊かさをどうやって手に入れるか」です。

 私が思うに、「いかにお金を増やすか」をアドバイスする本はあっても、「なぜお金を増やすか」「お金を増やして何をするのか」をズバッと言い切る本はなかなかありませんでした。

 本書はまさにその点に焦点を当てて、人生を豊かにするための思考法やとるべき行動を指南しています。現代を生きる人々がこぞって読んでいる理由は、この点にあると考えています。

(本原稿は、ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』〈児島修訳〉に関連した書き下ろし記事です)