「言いたいことがうまく伝わらない」「なぜあの人は、私の言うことで動いてくれないのか」そう悩む人は決して少なくありません。重要なのは、伝えたいことを「どう伝えるか」です。 良くも悪くも、工夫しだいで伝わる内容が大きく変わるからです。本稿では、コピーライター歴20年の井手やすたか氏が伝え方の“型”を、例を交えて紹介します。
そもそも、「言いたいことが、うまく伝わらない…」
もし今、目の前に初めて会う人がいたとして、あなたは「自分の仕事の内容」について、わかりやすく、端的に、正しく伝えることができるでしょうか?
熟知している自分の仕事のことだから当然…と思いきや、最初に話すべきは、職種のことか、部署のことか、会社の事業についてか…。それとも、一日の流れから? 詳細よりも一般論から始めたほうがいいか…。ちょっとまてよ、そもそもこの人はどこまで知っているんだろう? 長い話は嫌われるから、短く結論から言うか。ん? 自分の仕事の結論ってなんだ…?
「わかりやすい伝え方をしなければ」と意識して考えてしまうと、何が正解なのか、案外難しかったりします。
本稿では、伝え方の基礎として、「そもそも、言いたいことがうまく伝わらない」と悩む人のために、伝えたい情報をわかりやすく伝える型を紹介していきます。
たとえば、
「相手の視点になって組み立てる」
「まずは全体像を俯瞰させる」
「大事なポイントに絞る」
「目的と手段を整理して伝える」
「喩えたり、比較したりする」
後述する具体的な例の中て、私が提唱する「型」の一部を紹介します。
ただの伝え方が、大きな差を生む。
説明が上手になる、というのは、ビジネスや日常生活において、地味なように見えてとても重要なことだと思います。なぜなら、人と人のコミュニケーションのほとんどに「説明」の要素が入っているからです。
会議での報告や連絡では、端的で正確な説明力が問われます。自分の意見を言うにしても、なぜそう思ったか、説明が必要ですよね。商談や相談だって、前提となる情報を共有するために説明が必要です。プレゼンは自分が考えたアイデアの説明と言えます。
説明がうまい人=頭がいい人、と言われているように、説明のスキルというのは、最もベーシックで、最も活躍の機会が多く、最もあなたの実績やイメージを変える可能性があります。
様々な「型」がありますので、それぞれの特徴をふまえ、状況に合わせてうまく使いこなしてみてください。