ビジネスパーソンが体の不調を未然に防ぐことに役立つ「予防メシ」を紹介する連載。第9回は「睡眠」を取り上げます。年末年始の連休で睡眠のリズムが崩れてしまったという方も少なくないでしょう。そこでYouTubeチャンネル登録者数61万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに「睡眠の質を高める食材」と「快眠ドリンクのつくり方」を教えてもらいました。連休明けに仕事のパフォーマンスを落としたくないという方は、ぜひ参考にしてほしい。(文/関口絢子)
年末年始は要注意
「睡眠負債」の“恐ろしいリスク”
睡眠負債とは、睡眠不足が慢性化して、心身への支障をきたしている状態を指します。日々の睡眠不足が借金のように積み重なっていく状態を表現した言葉です。
睡眠負債は、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の初代所長ウィリアム・C・デメント教授によって提唱された概念です。睡眠負債が蓄積されると、仕事や家事のパフォーマンスが低下、倦怠感や慢性的な眠気、記憶減退や認知機能の低下などの精神機能の低下、体内のホルモン分泌や自律神経機能に大きな影響を受けます。さらに高血圧や不整脈、肥満や糖尿病、抑うつなどの病気のリスクが高まる可能性もあります。負債を返済するためには、たくさんの睡眠をとることが必要となります。
睡眠負債を解消するには、平日の睡眠時間を少しずつ増やし、週末も同じ時間を守ることが大切です。20代から50代の働き盛りの世代であれば、睡眠時間は7〜8時間必要と言われています。睡眠負債があるかどうかは、週末にしっかりと遮光した部屋で携帯も時計も無い、睡眠に理想的な環境で時間を気にせず寝た場合、通常よりも2時間以上、睡眠時間が長くなるかどうかで判断できると言われています。