こりゃホンダと日産が統合を目指すワケだ…日本企業の「技術の遅れ」がもはや深刻レベルだったPhoto:HONDA

2025年は自動車業界の大変革がいっそう際立つ年になる。大手メーカーの勢力図の変化に加えて、モビリティーの価値そのものが変化しているからだ。鍵を握るのは電動化とソフトウエア。しかし、日本勢の技術力には不安が残る。何より、もっと柔軟でオープンな発想力が求められるはずだ。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

100年に一度の変革期を迎えた自動車業界

 世界の自動車産業が100年に一度といわれる大変革期を迎えている。少し前まで順調だった電気自動車(EV)へのシフトが、米欧で鈍化したことにより、EVシフトに多額の経営資源を投じたメーカーの業績が悪化している。

 その一方、中国では政府の支援策がありEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などへのシフトが進んだ。これを背景に、中国メーカーの躍進は目覚ましく、欧米の有力メーカーを脅かすまでになっている。

 勢力図の変化に加えて、モビリティーに対する大変革も明らかだ。それはつまり、自動車のソフトウエア化だ。AI(人工知能)の急成長や高速通信技術の発達により、走行中のクルマがデータを交換するなど、新しい体験が可能になっている。これまでの走行性能とは違った次元で、自動車の新しい価値を創造しつつあるのだ。

 車載用ソフトウエア開発に関して、わが国メーカーは遅れているといわれる。わが国の自動車関連企業は、今後、どうしたら生き残れるのか。製造技術の成功体験に固執することなく、業界の垣根を越えて、新しい発想の実現に取り組むことができるだろうか。