我々は、日々取り組む仕事や人間関係がうまくいかないと、ネガティブな感情に陥りやすい。そんなときに役に立つのが「感謝の心」だ。カナダ出身のライフコーチであり、現在は岡山を拠点に活動を続ける作家のスコット・アラン氏は「物事がうまくいかなくても感謝の心は人生を変える力を持っている」と語る。同氏が考える「感謝の心」を持つことで得られる10のメリットとは?※本稿は、スコット・アラン『GRATITUDE(グラティチュード)毎日を好転させる感謝の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
物事が上手く行かなくても感謝の心は
人生を変える力を持っている
シャーロット・ブロンテ(イギリスの小説家)
どんなに厳しい現実に直面しようと、感謝の心を持っているなら、見落としがちな恩恵に気づくことができる。たとえ物事がうまくいかないときでも、感謝の心を持っているかぎり、困難の中に希望を見いだして、人生の素晴らしさを忘れないようにポジティブな姿勢を維持することができる。
感謝の心は人生を変える力を持っている。それがどのようなものかを説明しよう。
(1)強欲を抑える
持っているものに気づき、それに感謝することは、満足感や充足感をもたらす。きっとふだん多くの恩恵を受けていることに幸せを感じるだろう。
たとえば、豪邸に住んでいないことを不満に思うのではなく、家に屋根がついているおかげで雨風を防げることに感謝しよう。感謝の心を持つと、強欲を抑えることができ、むやみにもっとほしがる気持ちがなくなる。
(2)共感力と寛容の精神を養う
感謝の心を持つことによって、もっとほしがる気持ちがなくなると、人生全般に対する満足度が高まり、自分の利益だけを考えるのではなく、他人の苦しみに共感することができる。その結果、他人に思いやりを持ち、ふだん受けている恩恵を共有したくなる。
自分が十分に恵まれていることに気づくと、心を開いて寛容の精神を養うことができる。あなたは「相手を気づかって広い心で分かち合う」ことを信条として行動し、困っている人たちに救いの手を差し伸べる慈悲深い人になる。
(3)他人への思いやりが自信を生み出す
他人に思いやりを持って救いの手を差し伸べ、相手の顔に笑みが浮かぶのを見ると、自分の人間性に自信が持てるようになる。
また、たえず不平不満を言う癖から解放されると、人生のより重要な課題に意識を向けるから生産性が高まる。その結果、課題を素早く仕上げることができ、ますます自信がわいてくる。
(4)楽観主義と粘り強さを育てる
感謝の心とネガティブな感情を同時に持つことはほぼ不可能である。感謝の心をはぐくむと、喜びや希望などのポジティブな感情を持つことができる。その結果、どんな状況でもネガティブな要素を排除し、ポジティブな要素を追求するようになる。